明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。3


『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。3』(藤まる著/電撃文庫)★★★★☆

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。3 【電子特別版】 (電撃文庫)
明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。3 【電子特別版】 (電撃文庫)

「明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。」前巻までの感想(みかこの読書日記)

「終わりよければ全てよし」と言いますが、このシリーズはこのラストを見るためだけに読むべきと言っても過言でないほど終わり方が素晴らしかったです。
1巻のあまりのくだらなさに絶対このシリーズで泣くわけないとか思ってたのになぁ。まさか全部読み終わってこんな爽やかな気持ちになるとは思いませんでした。

☆あらすじ☆
『おまえの寿命の残り全てで彼女を生き返らせてやろうか?』
雰囲気ヤンキー・秋月の体を1日おきに乗っ取る美少女・光。彼女とのハチャメチャ二心同体生活に最大の危機が!交換日記以外では会話すらできない光に恋した秋月が迫られる究極の選択―。徐々に寿命が減りつつある光を救うべく、秋月は立ち上がるのだが…。そんなある日、手がかりを探る秋月のもとに、彼らと同じく“2つの心が同居する仲間”と名乗る人物からのメールが舞い込む…。いつでも背中合わせだった2人が下す決断とは―!?
「ぼっちな俺」と「残念な彼女」による人格乗っ取られ青春コメディ、第3弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

徐々に短くなっていく光の時間。秋月はなんとか光を救おうとあがくうちに、自分たちと同じような二心同体状態になっている千秋隼人の存在を見つけ出します。

隼人から光を救う方法を教えてもらう条件として、いくつかのミッションをこなすことになった秋月。
千秋と隼人に関わるうちに、彼はふたりの事情に触れていくことになるのですが、これがとても切ない。むしろこの2人の話だけで1冊読んでみたかったです。
千秋を支える隼人も、隼人を想う千秋も、約束していた通りに二人でいることを望んでいただけだったのに、現実は無情。1度ですんだはずの別れを繰り返さなければならないなんて辛すぎます。
それでも、置いて逝く千秋のために、隼人が彼女に動く足を残していったと明かされるシーンは、情景描写も良くて本当に美しかったです。

 

生き返るための代償の内容については、2巻ラストで黒ローブが教えていた通りだったのですが、隼人によってその詳細が明らかに。
そしてここからが、秋月と光の最後の思い出づくりの時間であり、駆け引きの時間になっていきました。

タイムリミットがはっきりしたことで覚悟を決めた光。そして最後まで楽しみ尽くそうとして駆け抜けていく仲間たちとの時間。楽しい時間はあっという間です。
それにしても、444日とかアヤシイと思ったんですよねぇ。案の定でしたが。
光を出し抜いたはずの秋月を、さらに光が出し抜いて風城くんに願いを託す。風城くんは最後まで本当に良い奴でした。ふたりの二心共同体生活に欠かせない理解者だったと思います。

 

結局、光は消えて秋月が残る。
都合が良いのは二心同体になるところまで。死者は生き返らないのです。

 

この作品、正直なところを言えば、全体的にコメディパートの雰囲気があまり好みじゃなく、残念ヒロインな光ちゃんもなかなか好きになれなかったし、秋月のヘタレさにはイラッとすることが多かったです。
でも、随所に入る人間模様は切なくて優しくて心が震えるものだったし、なによりもこの終わり方は本当に素晴らしく、色々感じていた不満点が一気に吹き飛ぶほどでした。まさに、終わりよければ全てよし。

 

光のいない新しい生活の中で彼女との思い出は少しずつ過去に流れていくものの、生きている限りは可能性を諦めないと決意する秋月。
そんな秋月に、消えてしまう前に光が残したメモが、彼女を思い出させると同時にほんの少しの「もしかしたら」を与える。
これ以上の余韻の残し方はないのでは、と思える最高のラストシーンでした。このシーンを読めたことだけでも、シリーズ全3冊を読んで本当に良かったと断言できます。

 

ということで、ラストシーンの出来があまりにも素晴らしかったわけですが、11月にシリーズの新作が発売されるんですよね。続編になるのだろうか?それとも高校生活中のエピソードを集めた短編集になるのだろうか?
サブタイトルは「Sunrise & Sunset Story」となっていましたが、これだけだとわからないですね。完成されている物語だけに、どういう内容になるのか少し不安ですね・・・・・・。謎がいくつか残っているものの(日雲先生の正体とか)、別に明かさなくてもいいものでしたしね。

まぁ、買いますけど!むしろ楽しみです!

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