スキュラ&カリュブディス 死の口吻


『スキュラ&カリュブディス 死の口吻』(相沢沙呼著/新潮文庫NEX)★★★☆☆

スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫)
スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫)

すごかった(゜Д゜)
官能と百合と異能バトル・・・・・・?
背表紙に書いてあったキャッチフレーズは「背徳の新伝奇ミステリ」なんですが、ミステリっぽい雰囲気はあるもののミステリではありません。
微グロ微エロな上に百合百合しいので、苦手な方はご注意を。私はそれなりに楽しく読めましたが、読後感がなんとも微妙な作品でした。

☆あらすじ☆
初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた―。性と死、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。

以下、ネタバレありの感想です。

舞台となるのは2020年よりも未来の都会(東京?)。
ということで、割とハイテクな機器を持つ女探偵が出てくるのですが、結局彼女は狂言回し的なポジションから動きませんでした。やっぱりミステリじゃないですね。

物語は、主人公・此花ねむりを中心にしながら、連続失踪事件の真相を探る複数の人物に焦点を当てながら進んでいきます。
連続失踪事件、少女たちの間で流通している「プーキー」、「人狼」の都市伝説など、おどろおどろしくも何やら心惹かれるワードがとびかう本作。
しかし、失踪していた少女が主人公達の目の前で常識では考えられない死に方をしたシーンでは、一体これはどんなオチをつけるつもりなんだと冷や汗をかいてしまいました。ミステリと思い込んでいたせいで、予想外な展開に不意打ちを食らった気分です。

 

結論としては、「オーヴィッド」と呼ばれる異能者たちのバトルもの・・・・・・というよりは、人とは違う超越者たちの悲哀のような雰囲気を描いていく作品ってことだったのでしょうか。
それは、序盤からずっと此花ねむりの食欲とも性欲ともとれる「衝動」という形で物語の中に現れていたわけですが、当初は「この子、なんでこんなに食欲旺盛?え、食べるのって人間なの?」と、どういうキャラクターなのかわからず戸惑ってしまいました。あとエロかった。
ねむりが鈴原楓に抱く欲情が食欲なのかどうかもよくわからず(正直、最後までよくわかんなかった)、なんだかとても百合百合しい雰囲気に圧倒されてしまいました。あと、エロかっ(ry

 

ラストはさらに何とも言えない読後感を与えてきて・・・・・・。
途中までは完全に瀬崎が犯人だと思い込んでいたので、真犯人の正体は予想外でした。ただ、彼の結末はちょっとあっさりでしたね。ねむりの予想通り殺して欲しかったせいでしょうか。好きになった人を殺してしまったときには、彼はもう壊れていたのかもしれないですね。

 

うーん、面白かったんですが、人にすすめにくい。
結局、オーヴィッドの正体ってよくわからないままですし少しスッキリしない終わり方でしたので。ねむりは最初からスキュラだったんでしょうか。仕送りをしてくれる家族(?)の存在は示唆されていましたが・・・・・・。
もしかしたら続編があるのかもしれませんね。

 

あ、そういえば表紙は人気イラストレーターの清原紘さんなんですが、この方が表紙を担当している「犯罪共鳴 壊兎」(富士見L文庫)が本作と雰囲気が似ている気がしました。微グロミステリで主人公が壊れてるところが。

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北山 大詩,清原 紘KADOKAWA / 富士見書房
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本作を読んで、予定していたミステリ分を摂取できなかった!と思ってしまった方はこちらも読んでみてはいかがでしょう?

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