天久鷹央の推理カルテ1


『天久鷹央の推理カルテ』(知念実希人著/新潮文庫NEX)★★★★☆

天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫)
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫)

天才診断医が様々なオカルト的謎を医学的に解き明かす医療ミステリー。
連作短編集なのですが、どれもとても面白かった!自信満々に「私は天才だ!」と謎に首を突っ込みまくる鷹央と、それに振り回される部下の青年医師のコンビが活躍します。
雰囲気的には医療系ガリレオ?あと、作風もキャラも全然違うんですが、精神科医伊良部シリーズを思い出しました(なんでだろ。鷹央の置かれてる環境が近いから?)

☆あらすじ☆
統括診断部。天医会総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護師。突然赤ちゃんを身籠った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた…?頭脳明晰、博覧強記の天才女医・天久鷹央が解き明かす新感覚メディカル・ミステリー。

以下、ネタバレありの感想です。

大病院の屋上に棲みつき、他の医者が放り投げた診断が困難な(あるいは扱いが困難な)患者を科の垣根を越えて診る「統括診断部」部長・天久鷹央
物語は、天才診断医であり、好奇心旺盛な鷹央が部下・小鳥遊優医師(通称・小鳥先生)を振り回して様々な謎に首を突っ込んでは、それを医学的見地から解き明かしていく、というもの。

オカルトを科学的に証明するというのは「ガリレオシリーズ」に通じるものがありました。あとは、けっこうメンタル的な話もあったんで、そこから伊良部シリーズを連想したくらいかな?もっとも、どちらのシリーズとも全然雰囲気は違っていて、医療とミステリーの融合が素晴らしいエンタメ小説になっていたと思います。
あと(新潮文庫NEXの方向性からか)それらのシリーズよりはキャラクターがラノベナイズされているような。見た目女子高生(言動もなんか若いw)な鷹央先生が可愛かったですヽ(・∀・ )ノ

 

『Karte.01泡』ではカッパ、『Karte.02人魂の原料』では人魂など、少しホラー的雰囲気のある謎に鷹央が挑み、それらを一刀両断で解き明かしていく姿は実に爽快。「鷹央先生、かっこいい・・・・・・」となるのも仕方ないですねw

特に面白かったのは『Karte.03不可視の胎児』
タイトルからしてこんな感じだろー、と途中までの鷹央と同じ予想をしていたんですが、もう見事に裏切られました。
オチが予想外。天才診断医でも千里眼並に万能というわけじゃなく、最初から全部見通せるわけじゃないというのが面白いですね。著者は現役の医師の方なのですが、どこらへんまでリアルにありそうな話なんでしょう?
それにしても小鳥先生は最初全く想像妊娠を考えてなかったようですが、想像妊娠ってそんなにレアなんですかね。高校時代に友人が妊娠したって騒いでいて、蓋をあければ想像妊娠だったことがあったのですが、あれって珍しいことだったのか・・・・・・。

最も恐ろしかったのは『Karte.04オーダーメイドの毒薬』
モンスターペアレントだと思いきや・・・・・・。
子供に起こった謎の中毒症状の真相が恐ろしすぎるし、事実が明かされてからの開き直り方も狂気的。
おかしいと思ったんですよね、私でもドラマやらで知ってることをなんで現役医療関係者がやっちゃうのか。全部伏線だったとは思いませんでしたが。

この事件では、あわや統括診断部縮小(ほぼ解体)の危機!というのは物語のお約束的展開もあったのですが医療過誤訴訟では勝てる訴訟であっても訴えられたという事実そのものが命取りというのは怖い話ですね。お医者さんも大変です(;´Д`)きっとこんな感じのモンスター患者(又はその家族)ってたくさんいるんでしょうね。

 

各短編それぞれ面白かったし、鷹央先生と小鳥先生のコンビも読んでいて楽しかったです。
シリーズ化するかな?するとしたら口の軽すぎる研修医ちゃんもレギュラーメンバーになるのでしょうか(小鳥先生の受難は続くのかw)

ぜひ続編を出して欲しい良作でした(´∀`*)ノシ

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