『棺姫のチャイカⅩ』(榊一郎著/富士見ファンタジア文庫)★★★★☆
棺姫のチャイカX〈ファンタジア文庫電子応援店限定版〉 (富士見ファンタジア文庫)
次巻で完結だそうです。ラストスパートに入り、どんどん面白くなっています!
今回は最終決戦の前に情報整理をしつつ、ガズ皇帝の半生が語られていくターン。そして、彼の目的も明らかになり物語はどんどん壮大に展開。本当にどうなっちゃうの?
本編もどんどん楽しくなっていますが、10月からいよいよアニメ2期もスタートですね!アニメ版好きだったのでとても楽しみです。
☆あらすじ☆
全ての『遺体』が集まり、黒チャイカの儀式によって現世に復活を果たした“禁断皇帝”アルトゥール・ガズ。しかしそれは同時にチャイカの生きる目的だった父親の『遺体』を集める行為は、ガズ皇帝によって使い捨ての道具として仕組まれたものであるという真実を知ることになる。与えられた使命すらも無くし、生きる目的を失ったチャイカに、トールは声をかける。
「我が主。初めて会った時の事を覚えているか?」かつて自分が言われた言葉を今度はチャイカに向けて―。再び。見つける。今から。もう一度。
以下、ネタバレありの感想です。
前巻ラストで竜騎士へとクラスチェンジを果たしたトール。
フレドリカとの契約シーンがちゃんと描かれてホッとしました。そして良いシーンですね。どこか無機物っぽかったフレドリカも、トールたちとの旅を経てかなり人間らしくなった気がします。
竜騎士となったものの、トール自身にそこまでの変化はなかったような?元々がどっちかというと騎士っぽい性格でしたし。
でも、トールが乱破師としての生き方を捨てたからこそ、存在意義を失って自失していたチャイカを救う言葉が出てきたのかもしれませんね。
目的に振り回される、っていうの良く分かる気がします。目的にばかり気が取られて、気づいたら道を間違えてたっていうか。
自分の道を充実させるのって、別にその目的じゃなきゃダメってわけでもないんですよね。そこらへん私も柔軟に生きていきたい・・・・・・。
これでトールは1巻の借りを返した形ですかね。
でも白チャイカには恫喝だったのに紅チャイカには優しく諭していて、不平等感は私も感じましたw
なんかトールって紅チャイカには当たりが柔らかいような?お客様仕様なんですか??
トールのクラスチェンジと時を同じくして復活を果たしたガズ皇帝。
今回は彼の目的と、彼の半生を1冊の大半を使って描かれていく話でした。
そして、必然的にこの世界の真実も明らかに。
何巻もかけて少しずつ語られた内容を整理する形ではあったものの、そこから伏線だったのか!と思うものがたくさんあって、特に、「神」の在り方と魔法の在り方が根っこが同じものだというのは面白かったです。
エピソードの積み上げ方にベテラン作家の実力を垣間見ました。
ガズ皇帝自身も、なんだか思ったよりは迷える人だった気がします。
超然としたところがあるくせに「バケモノ」と妻に言われたことがずっと引っかかっているところとか。
世界の真実を知って「後悔した」とも言ってますしね。
ただ、叛旗を翻したガズ皇帝があっさりと神殺しを果たしたのはちょっと拍子抜けだったのですが・・・・・・神様あれでおしまいなの??そんなわけないですよね。
次回はいよいよ最終巻。
あっさりと神殺しを果たした(?)ガズ皇帝。世界の全てを支配するという彼にトールたちはどう立ち向かうのか。
11巻発売が楽しみです!その前にアニメ2期見なきゃ!
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