ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン3


『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅢ』(宇野朴人著/電撃文庫)★★★★★

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2013年4月刊。
最っ高に面白かった!!
圧倒的不利な状況の中で強いられる撤退戦。
しかも優秀なライバル敵将校まで登場し、息の詰まる、激しくて血生臭い戦争が再び始まります。
極限状態の中での騎士団の絆がまぶしかったです。特にイクタとヤトリの関係は本当に良かった・・・・・・。

☆あらすじ☆
大アラファトラ山脈でアルデラ神軍の大軍と向かい合う、疲労困憊の帝国軍。
勝ち目の見えない状況で、イクタは起死回生の奇抜な作戦を決行する! そしてかたや、帝国軍を攻めるアルデラ神軍の中に、ひときわ目を引く一人の軍人がいた。
彼こそ、『不眠の輝将』と讃えられる英才。強敵としてイクタの前に立ちはだかる男であった――。
不世出の二人が激突し、息詰まる戦いが展開される。果たして結末は……!?
話題の本格派ファンタジー戦記、ますます盛り上がる第3巻の登場!

以下、ネタバレありの感想です。

 

冒頭から衝撃走る。イクタのけじめのつけ方が本当に凄まじかったです。
女の子に小指を3つに切ってプレゼントした、という冗談を言えるイクタのキャラクターはほんとに唯一無二ですね。

 

多くの犠牲を出してやっと内乱を鎮圧したと思った直後に、アルデラ神軍の侵攻を受けた北域帝国軍。
そんな深刻に不利な状況の中、イクタたちに任せられたのは撤退する友軍を支援する役目
しかも1万2千の敵軍の前にわずか600人で立ち向かわなければならない、という難題つき。時間を稼ぐにしたって無理だろ・・・・・・という絶望的な空気が漂うのは当然です。

 

それでも、一緒に戦おうと決意する騎士団の絆に感動しました。いつの間にこんなに良い仲間になっていったんだ。特にマシュー。彼の叫びは胸を打ちました。私マシュー好きすぎて困る。きっとこの死戦を乗り切った彼は大きな成長を遂げると信じてます。

 

そうして始まった撤退戦。
ここにきて、精霊を戦争に組み込むというこのシリーズの特色がさらに際立っていたように思えました。火線防御から始まり、夜間のハイビームによる目くらまし、そして圧倒的な射程距離を持つライフル。これまでにも使われてきた要素ではあるものの、今回はそれらが各局面でさらに効果的に取り入れられていて、繰り広げられられる戦術が本当に面白かったです!

 

何より今回の戦争はシリーズ初の統率された敵国軍隊との戦い、そしてイクタのライバルとなるであろう「不眠の輝将」ジャンの存在がさらに息をつく間もないほどの「戦場」の迫力を生んでいました。
それに、前巻までと違って無駄に足を引っ張る存在がなかったのも良かったです。イクタとジャンのどちらも柔軟な上官を持てたことで、純粋に力量を競い合わせることができていたようですしね。

 

ある意味では美しく統制のとれたゲームのような戦争。
イクタが戦況をひっくり返しても、それをジャンがさらに返し、またイクタがひっくり返す。
確かに将棋ですね。ふたりの脳内で攻守の応酬が繰り広げられ、それが着々と現実の戦場を作り上げていく様に鳥肌がたちました。

 

しかし、圧倒的不利な状況はどんどんイクタや仲間たちの精神を削り取っていきます。
綺麗なのは戦術の応酬だけで、イクタ側はどんどんと味方の兵士の死体が積み上げられていきます。前巻にも増して血生臭い・・・・・・。
どいつもこいつも死亡フラグが立っているように見えて本当にドキドキしました。良かったみんな無事で本当によかった(´;ω;`)
最後の最後まで追い詰められてどうなるのかと思いましたが、ギリギリの狂気の勝負でイクタがジャンに競り勝ち、撤退戦は完遂。本当に良かった。
エピローグでシャミーユのところに帰ってきたところを読むまで、ちゃんと撤退できるのかという緊張感が解けませんでしたが。ほんと疲れました・・・・・・。

 

今回、撤退戦の激闘の中でイクタとヤトリの関係性の描写がさらに掘り下げられたように感じました。
恋愛的な匂いはほとんどないのに、恋人よりもかけがえのない存在として互いがあるような、そんな関係に見えました。一体どんな時間を過ごしたらこんな関係になるんでしょう?
互いの思考を先読みしあってナナクを救出するシーン、
イクタを殺せと命令がくだったらどうするかという質問に、ヤトリが、まず最初に「ヤトリシノ」を殺すと言い切ったシーン、
背中合わせになりながらイクタが人生で最も尊い約束をしたシーン。
他にもふとした瞬間に入る「イクタとヤトリ」のシーンがとても印象的でした。

 

・・・・・・でもこれ、まさかと思うけど絶縁敵対フラグにならないですよね?(´・ω・`)

 

ともかく全員無事に帰ってこれて良かった!
みんな大好きサザルーフ大尉もレギュラーメンバーになりそうですし、次巻も楽しみです!!

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宇野 朴人,さんば挿アスキー・メディアワークス
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