ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン1


『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』(宇野朴人著/電撃文庫)★★★★☆

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)
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2012年6月刊。
これは面白かった!!
ライトノベルのファンタジー戦記はそんなに数多く読んできたわけではないですが、血生臭さと容赦のなさはこれが一番かもしれません。そして、分厚いとはいえないページ数での展開の早さとそれに似合わない密度がすごい!
登場人物の誰もが魅力的なのですが、特に怠惰至上主義な主人公とそのツッコミ役なヒロインとの関係性がとても良かったです。カップルというよりはコンビや相棒という言葉が似合う二人でした。
全編通して面白くてあっという間に読んでしまったのですが、最後はゾクゾクッと背筋に何かが駆けました・・・・・・。

☆あらすじ☆
隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その一角に、とある事情で嫌々、高等士官試験を受験しようとしている、一人の少年がいた。彼の名はイクタ。
戦争嫌いで怠け者で女好き。そんなイクタが、のちに名将とまで呼ばれる軍人になろうとは、誰も予想していなかった……。
戦乱渦巻く世界を、卓越した才で生き抜くイクタ。その波瀾万丈の半生を描く、壮大なファンタジー戦記、いよいよ開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台となるのは隣国との戦争状態にあるカトヴァーナ帝国。
主人公イクタは、才女ヤトリとの取引によって帝国軍のエリートを選抜する高等士官試験を受験することになるのですが、それが怠惰で軍人嫌いの彼が「英雄」となる運命の始まりでした。

 

この1巻ではイクタが軍人となり、皇女シャミーユの野望に巻き込まれていくまでが描かれていくのですが、その過程の濃さが半端じゃない。
船が難破したことで戦争中の隣国に漂着し、イクタの機転とペテンで無事に国境を越える前半。
「帝国騎士」となり、高等士官学校に入学し、模擬戦で軍人としての才を発揮する後半。
そして、皇女の野望の片棒を担がされることとなる最終盤。
息つく暇もない展開とその内容の面白さに目が離せなくなりました。

 

イクタが主人公としてあまりにも魅力的だったのも物語の吸引力となっていました。
前半では非情に見える行動をしながらも隠れて死者を弔う優しさを見せ、中盤では部下や仲間の成長に気を配る器の大きさを示す。そしてその奥では秘めた激情を常に持っていて・・・・・・ってなにコイツほんとに格好いい!!
特に、イクタがリカン中将やイソン大尉と言葉を交わすシーンは思わず目頭が熱くなりました。イクタもそうだけど、自分の使命に命を燃やす壮年の軍人たちも格好良かった・・・・・・

 

イクタを囲む仲間たちもなかなか良かったです。
普段はボケ続けるイクタのツッコミ役となるヤトリですが、イクタとのツーカーな関係がとても好みでした。恋愛面に発展するのかは今のところさっぱりわかりませんが、無二の親友みたいな今の関係でもいいかなぁ、と思ってしまいました。
「騎士団」の他のメンバーについてはきっとこれからもっと活躍してくれるに違いない。特にマシューあたりは窮地をひっくり返すジョーカーとなりそうですw

 

本作の全編を通して伝わるのは戦争の負の面
内政の失敗を戦争で贖おうとする帝国の末期的な状況も悲惨でしたが、同じ方針で帝国を敗戦させ新陳代謝をはかるシャミーユの発想もすごい。追い詰められているなぁ・・・・・・。
シャミーユの思惑通りに進むのであれば、物語の終着点は見えているわけですが、イクタがどうなってしまうのかとても気になります。

 

そして、本編とは別に展開が気になるアナライ博士の研究
概念すらまともに存在していない「科学」で、彼は精霊の正体を突き止めることができるのでしょうか。というか、すでにタイトルが「ねじ巻き精霊」となっているので人工物であることは確定?でも誰が作ったのか・・・・・・超古代文明とかそんなキーワードをぽんっと放り投げられたら気になるじゃないですかー!

 

続きも楽しみです!早く最新刊まで追いつかなきゃ!

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