『シュガーアップル・フェアリーテイル16 銀砂糖師と黒の妖精王』(三川みり著/角川ビーンズ文庫)★★★★★
シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精王 (角川ビーンズ文庫)
砂糖菓子職人の少女と、その護衛の妖精。
ふたりの出会いから始まるフェアリーテイルもついに完結です。
とても寂しいです。大好きなシリーズでした。
そして、長かったアンとシャルの物語にふさわしい見事なエンディングだったと思います。 読んでる間、鳥肌が止まりませんでした。
三川先生、本当にお疲れ様です。素敵な物語をありがとうございました。
☆あらすじ☆
王国に幸福を招くため、そしてシャルとの約束を果たすため、職人たちと力を合わせて砂糖菓子を完成させようとするアン。しかし作業中にもかかわらず、妖精王と通じているとしてコレット公爵に連行されてしまう!!一方、アンと共に生きる未来のため、ラファルの暴走を止めようと一人行動するシャルだったが!?
それぞれの想いを胸に、運命が動き出す感動のシリーズ完結巻!!
以下、ネタバレありの感想です。
人間と妖精の未来をかけて、それぞれの戦いに挑むアンとシャル。
砂糖菓子職人たちの渾身の超大作、人間と妖精の歴史を描いた史上空前の規模の砂糖菓子もついに完成します。
全体像を把握しようとアンが駆け回るシーンも、迷い悩むエリルが完成した砂糖菓子を見に行くシーンも、どちらもこれまでのこのシリーズの歴史を振り返るかのような感慨にとらわれて鳥肌が止まりませんでした。過去のキャラクター総出演!て王道だけどやっぱり素敵です。
妖精と人間が共に歩む未来を見てしまったエリル。
彼の成長こそが、このシリーズの鍵だったんですよね。幼いためにラファルの思うままに動いてきた彼が、自分の頭で悩み考えぬいて、ラファルと決別する。それを導いたのがベンジャミンというのがなんとも意外でしたがw
エリルの成長とアンの決死の説得によって、妖精と人間の決裂はなんとか阻止。砂糖菓子も消滅の危機から脱することに成功します。
しかし、ラファルとの決闘の末、シャルは行方不明に。
いやいやいやまさかね、うん、まさかね・・・・・・と思いながらも、1年が経ち、昇魂祭の砂糖菓子を作るとアンが決意した瞬間には涙腺が決壊しました。
そして、戻ってきたシャルとアンの再会でまたも涙腺崩壊。
さらに、10年後にヒューが病死するという知りたくなかった事実で涙腺全壊でした・・・・・・
ヒューそんなに早く死んじゃうの!?なんで!?ヽ(TдT)ノ
(ヒューのことはともかく)このシリーズらしい、まさにフェアリーテイルのようなクライマックスだったと思います。本当に素敵な物語でした。最後まで読めて、とても幸せです。
あと1冊、外伝が出るとのこと。本編では最後にようやく再開したアンとシャルの甘い短編が読みたいところです。
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