レアリア1


『レアリア Ⅰ』(雪乃紗衣著/新潮文庫nex)★★☆☆☆

レアリアI (新潮文庫)
レアリアI (新潮文庫)

新潮文庫nex創刊ラインナップ3作目。
「彩雲国物語」で有名な雪乃紗衣さんの新作ということで楽しみにもしていたのですが・・・・・・。
うーん、構成がうまくいってない気がします。
世界観と設定はとても魅力的なハイファンタジーだったのですが、 読みにくさが気になりました。
ちょっと私には合わなかったです。残念。

☆あらすじ☆
軍事を担う魔女家当主・オレンディアの元に育った少女・ミレディアは、幼い頃に森で拾われた身。彼女は森で出会った青年・アキのことをずっと想ってきた。が、その念願の再会は、やがて世界に悪夢をもたらした。今、17歳となったミレディアは魔女家名代として、仲間と帝都へ向かう。両国の休戦、次期帝国皇帝候補の後見、そして、愛する彼を殺すために。

以下、ネタバレありの感想です。ネガティブ注意。

 

帝国と王朝の束の間の休戦期間の中で、帝国の皇位継承争いが繰り広げられる。そして、皇位継承権を持つポっと出の皇子を後見するために、主人公ミレディアは皇都に向かう。

 

というのが、まずは1本目の時間軸。

 

この作品、ミレディアが皇都へ向かうまでを描きながら、魔女オレンディアの若い頃(40年前)、ミレディアとアキの出会い(10年前)、ミレディアとアキが再会し決別するグランゼリア戦(4年前)など、様々な時間に話が飛びながら物語の全体像を浮かび上がらせていくという構成をとっています。

 

時間や場所をぽんぽん飛ばしながら話を進める作品は他にもたくさんありますし、出来の良いものであればあるほど、最後まで読み切ったときに複雑なパズルを完成させたかのような達成感を味わうことができたりします。
しかし、この作品に関して言えばこの構成が成功したとは思えない。
ミレディアにしてもアキにしても、ほとんど情報が与えられないまま「あんなことがあったから変わってしまったのよ」とか言われても、元がどういう人間であるかの掘り下げが不十分だから「そ、そうですか(´д`;)」としか思えない。
これから掘り下げるにしても、少なくとも1巻の段階では登場人物の誰もが不透明すぎて、結果、作者が書こうとしている悲壮感がうまく伝わってきませんでした。
世界観や現状の説明も不親切としか言いようがないから、ストーリーに惹かれることもなかったです・・・・・・。

 

せめて、ミレディアとアキの出会い、再会、決別までの流れと、今回の皇位継承争いのゴタゴタは巻を分けた方が良かったんじゃないでしょうか。
全部一緒にしているせいで、主人公が何と戦っているのかもよくわからないんですよねぇ(全部と戦っているにしても、その関係図がなかなか浮かびあがってこない)。
もしこの作品がミレディアとアキの悲恋を描きたいのなら、もう少し丁寧に彼らの決別を描いてくれていたほうが物語に入り込みやすかったのかもしれません。

 

ハイファンタジーなのに世界観と人間関係を整理できていないように感じられて、読むのにとても体力を使いました。
壮大なシリーズを予定していて、その序章だからこそのわかりにくさだったのかもしれませんけど、ちょっと次巻を読む気にはなれないですね。
世界観や設定そのものはむしろ好みだっただけに、本当に惜しい作品でした。

 

あと、雪乃紗衣さんの作品は初めてだったのですが、視点がフラフラしていて文章が少し読みづらかったです。
誰の感情なのか、誰の内心を書いてるのかがごちゃごちゃしていて困りました。

 

愚痴ばかりですみません。このへんで切り上げます。

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