「いなくなれ、群青」(河野裕著/新潮文庫nex)★★★★☆
「いなくなれ、群青」は階段島という孤島に「捨てられた」人々の物語。
青春小説ですがSFっぽい印象を受けました。少し不思議系。
外へ出ることのできない階段島。階段島を訪れる直前の記憶を持たない「捨てられた人々」。
彼らが島を出るためにみつけなければならない「失くしたもの」。そして、階段島を管理する「魔女」。
不思議なキーワードが飛び交い、少年と少女の再会をきっかけに「階段島」の真実が明らかになっていきます。
作品のテーマに少しだけ寂しい気持ちになるけれど、少年たちの斜に構えた青臭さが心地よい作品でした。
☆あらすじ☆
11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎…。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。
以下、ネタバレありの感想です。