『光炎のウィザード 追憶は五里霧中』(喜多みどり著/角川ビーンズ文庫)★★★★☆
こ、怖い!!
自分のいる世界に疑問を持ってしまうって恐ろしいことですよね・・・・・・似たようなこと考えて中学生のときに眠れなくなったことを思い出しました(あれもある種の中二病だったのか)
3巻にしてやっと舞台のメインが『学園』に。しかし平和な学園モノにならないことはわかってた。わかってたよ。
☆あらすじ☆
“学園”の見習い魔術師リティーヤは、幼い頃生き別れになった家族と、命の恩人を捜している。傲慢冷酷超甘党美青年の担当教官ヤムセにしごかれ、今日も元気に修業中のはずが、ある事件があって今回はお留守番。だけど、その間に“学園”を揺るがす大事件に巻き込まれてしまい!?リティーヤ狙いの年下美少年も現れちゃったりして、なんでこんなになっちゃうの!?
天然最強魔術師師弟が贈る、愛と冒険のファンタジー第3弾。
あらすじみたいな脳天気な展開じゃ断じてない。以下、ネタバレありの感想です。
ユローナ脱走で騒がしい《学園》の中、リティーヤの親友ミカの様子がおかしい、というところから始まる第3巻。ユローナが後輩の少年バゼルと追いかけっこをしたりして一見学園ものらしいほのぼのした空気を出しつつも、全体的に不気味で不穏な空気が漂う話でした。
特に、ミカの「あんたにとってこの世界はどれだけ確か?」というセリフが出てからが、なんか雰囲気が怖かったです・・・・・・。
ミカの出奔を経て、物語はどんどん謎めいた方向へ。
バゼルの正体はキツネ顔の男が化けてるかユローナの手下かどっちかだろうなぁ、と思っていたら前者でした。
そしてミカの行動は全てバゼルが原因。まさかミカの正体が最初からリティーヤのそばにいさせるために用意していた人形だったとは思わなかったです。7年前の記憶がおかしいってだけでもなんだか怖かったのに、そもそもそんなものが存在しなかったかもしれないんですよね。前述のミカのセリフの重みがさらに変わってくる展開でした。しかも、ユローナの傍に行っちゃったし。これからどうなるんだろう。
虹ドロさん関連でもさらに謎めく展開が。
途中でヤムセが7年前の記憶が操作されているって話が出てきたときは「やっぱりお前が虹ドロさんなんじゃないか!」とにやりとし、終盤でヤムセ自身が「虹ドロさんは・・・・・・私か?」と思い出した(?)場面でしたり顔をしてしまいました。
なのに!
その後出てきたキツネ顔が虹ドロさんかも?って疑惑が出てきてリティーヤ以上に大混乱ですよ。一体虹ドロさんの正体は誰なんでしょう???
他にも「冬の時代の真実」とか、イルザークがユローナの傍にいる本当の理由とか、気になる要素が続々と出てきて、物語自体も俄然面白くなってきました。
それにしてもバドさんイケメンすぎてヤムセのヒーローとしての存在感がなんだか薄く・・・・・・
何もかもが気になる!早く続き読まなきゃ!!!
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