『世界の終わりの世界録〈アンコール〉1 再来の騎士』(細音啓著/MF文庫J)★★★☆☆
世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士 (MF文庫J)
300年前の伝説の英勇そっくりの少年が、英勇の仲間だった少女達と共に、英勇が遺した旅の記録「世界録」を探して旅をする物語。
どこか懐かしさを感じるくらいの王道ファンタジーでした。まだまだ序章といった感じですが少し無難すぎてパンチが足りない、かもしれません。
☆あらすじ☆
伝説の英勇エルラインが遺した、世界の終焉と再来とを記した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める世界録大争奪時代―騎士志望の少年レンは、彼の英勇生き写しの容姿ながら剣才に恵まれず「偽英勇」とバカにされる日々を送っていた。そんな彼の前に現れた、封印より目覚めし伝説の竜姫キリシェ。レンをエルライン本人と勘違いし、外見だけだと失望したキリシェだったが、一方でレンの中に秘めた可能性を見出すことに。そして、かつて英勇と共に世界を救った大天使フィアや先代魔王エリーゼとの世界録をめぐる旅へと少年を誘う。
「わたしと、行くか?」
―これは、英雄たちが奏でる狂騒への序曲。今、偽英勇の少年と伝説が邂逅する!
以下、ネタバレありの感想です。
主人公は、300年前に存在した伝説の「英勇」エルラインの遠縁であり、彼にそっくりの外見をした学生騎士レン。彼自身は無能というほどでもないのですが優秀というほどでもない力量のため、周囲からは「偽英勇」と嘲りを受けて生きてきました。
そんな彼に手をさしのべ、エルラインが遺した旅の記録「世界録〈アンコール〉」を探す旅に誘ったのは、かつてのエルラインの旅団メンバーだった大天使フィアと竜姫キリシェ。
そして、残りのメンバーである元魔王エリーゼにレンの旅団に入って貰うため、交換条件として「五大災」アシェンディアの討伐をする、というのが今回の話でした。
仲間を集めて、修行しながら中ボスを倒すというRPG的雰囲気が漂う王道ファンタジーといった印象。
少し辛めに言うのであれば、無難すぎてインパクトに欠ける出だしだったように思います。
キャラクターのほうはといえば、ヒロインが3人出てきた割には各人に魅力を感じるまでには至らなかったことが残念でした。意外にも拳を振るうタイプだったフィアは面白かったですけど。
一方で、レンは弱いながらもまっすぐな性根の努力家で好感がもてるタイプの主人公でした。途中で世界に他にひとりしかいない古代召喚術が使えることが判明したときには、「ええ、ここまで努力してきたのにチートつけちゃうの?」 とガッカリしかけたのですが、ちゃんと修行の成果を発揮する形で戦闘に挑んでくれたのは良かったです。やっぱり努力は報われないと!
レンの正体については、エルラインの転生の可能性は一応否定されていますが、キリシェは外見だけじゃなくもっと奥の部分でも似てるとかいっていますし、全く無関係ということはなさそうです。本人だったりして。
ラストで、世界中の要人達に次々とスポットを当て、これから物語を盛り上げていくぞ!という意気込みは感じました。キャラと世界観等の設定が王道すぎるので、もここから捻りを入れた展開をいれてくれることを期待したいです。
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