ロクでなし魔術講師と禁忌教典1


『ロクでなし魔術講師と禁忌教典〈アカシックレコード〉』(羊太郎著/富士見ファンタジア文庫)★★★★☆

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (富士見ファンタジア文庫)
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (富士見ファンタジア文庫)

ファンタジア大賞の大賞作です。すごく面白かった!
あらすじ読んで、大賞作ではあるけど流行の要素を取り入れたよくある感じの作品なのかな?と思っていたのですが、主人公が講師としてやる気をだす中盤からテロ事件が発生する終盤にかけて、どんどん物語が面白くなっていきました。世界観や魔術の設定なども凝っているなぁと感心するばかり。
冒頭ではイライラさせられる主人公も、しっかり地に足がついたキャラだと分かってからは好印象。それと、強さの設定がすごく丁度良かったです。弱点を気概と工夫で乗り切る感じが好みでした。
物語としては序章という感じで、たぶん続くんでしょうね。2巻が早く読みたいです。

☆あらすじ☆
アルザーノ帝国魔術学院非常勤講師・グレン=レーダスは、自習→居眠りの常習犯。まともに教壇に立ったと思いきや、黒板に教科書を釘で打ち付けたりと、生徒もあきれるロクでなし。そんなグレンに本気でキレた生徒、“教師泣かせ”のシスティーナ=フィーベルから決闘を申し込まれるも―結果は大差でグレンが敗北という残念な幕切れで…。しかし、学院を襲う未曾有のテロ事件に生徒たちが巻き込まれた時、「俺の生徒に手ぇ出してんじゃねえよ」グレンの本領が発揮される!
第26回ファンタジア大賞“大賞”受賞の超破天荒新世代学園アクションファンタジー!

以下、ネタバレ有りの感想です。

 

主人公グレンは、師匠セリカのスネをかじりまくったニート生活を強制終了させられ、 魔術学院の非常勤講師として働かされることに。
冒頭のグレンはすさまじくやる気と熱意に欠けていて、イライラせざるを得ないダメ男っぷり。あぁ、この主人公読んでいくの、きついかもなぁーと思っていました。

 

しかし、ルミアシスティーナと関わり、「魔術の何たるかを全く分かっていない」生徒たちに向き合いだした中盤からはグレンというキャラクターも、物語そのものもどんどん面白くなっていきました。

 

この作品、気に入っているところはいくつもあるのですが、まずは、魔術の設定が凝っているように感じました。
魔術式は単なる自己暗示だとか、詠唱の省略化の功罪とか。設定が複雑な作品はその説明を読むのが億劫になることが多いのですが、この作品は割と楽しく読めました。説明がわかりやすいというのは大事ですね。グレンは私にとっても良い先生でしたw

 

グレンというキャラクターのバランスもすごく良かったと思います。
グレンがなぜ魔術を憎んでいるのか、どうしてそこまでやる気というよりは気力をなくしてしまっていたのか。これについての説明の仕方がすごく簡潔でわかりやすかったです。
師匠への恩返しと、自分の魔術を役立てられると意気込んで飛び込んだ先が魔術社会の暗部。そこでグレンに何が起こったのかーーー、とか書こうと思えばダラダラ長く書けそうですけど、それはせずにあっさりと、でも強くイメージさせてくるんですよね。すごい。

 

グレンの強さの設定も絶妙でした。
最強などではなく、むしろ魔術の才能はあまりなくて無理矢理相手を同じ土俵に立たせた上での格闘戦のほうが得意(なのにバトルのメインが魔術であることは崩れないというのがまた良い)だったり、呪文短縮ができないという弱点を気合いと根性で乗り切る感じがすごく好み。前半のやる気のないグレンにイライラしていた分、熱血漢な一面を余計に爽快に感じたのかもしれないですけどw

 

さらにはテロ事件解決後のエピローグの不気味さも良かったです。なんだかゾクゾクしましたw
メルガリウスの天空城の正体は何なのでしょう。超魔法文明という古代文明の秘密を探っていく話になっていくのでしょうか。タイトルの〈禁忌教典〉ってまだ出てきてないですよね?天空城と関係があるのでしょうか。 天の智慧研究会もまた出てくるんだろうなー。

 

とても楽しめた新作でした。きっと2巻出ますよね?続きが楽しみです(*・ω・)ノ

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羊太郎,三嶋 くろねKADOKAWA / 富士見書房 2014-07-25
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