愛されすぎた嫌われ姫1 囚われの王子の脅迫


『愛されすぎた嫌われ姫 囚われの王子の脅迫』(小野上明夜著/一迅社文庫アイリス)★★★★☆

愛されすぎた嫌われ姫 囚われの王子の脅迫 (一迅社文庫アイリス)
愛されすぎた嫌われ姫 囚われの王子の脅迫 (一迅社文庫アイリス)

呪いにかけられた人質の姫と、王位継承争いに敗れて幽閉されている元王子の出会いから始まるファンタジー。
その中身は鉄面皮の舌打ち魔と回遊魚系ヒーロー(作者談。意:泳いでないと死ぬ)という身も蓋もないカップルのラブコメでした。面白かったです。
全般的に軽く笑いながら読んでいたのですが、ラストで笑いながらときめくという不思議な体験をさせていただきましたw
暑苦しいくらいに全力投球のウザ系ヒーローも悪くない・・・・・・かも?

☆あらすじ☆
「お前の愛を得るために全力を尽くす。首を洗って待っていろ、愛しいオデット!!」
幼いころ妖精に“他人の秘密を知る呪い”をかけられ、人に嫌われるようになってしまった小国の末姫、オデット。開き直って孤独を楽しんでいた彼女だが、滞在していた大国レダンで、国家の秘密―隠された王子アッシュロードと行き会ってしまう。運命的に出会った、呪われた姫君と幽閉された美しき王子…のはずが、彼は突然「俺の生きがいになれ」と命令してきて!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公オデットは、幼い頃に妖精セイジュとの約束を破ったことで、彼から「人の秘密を勝手に知ってしまう」という呪いを受けたおかげで、知りたくもない他人の秘密を知ってしまうような場面に度々遭遇し、祖国から放り出され人質として他国を転々とする身の上。
そんな彼女は、大国レダンに到着して数日で国の秘密である「王位継承争いに敗れて幽閉された元王子」アッシュロードに出会ってしまいます。

字面だけ見ると運命的な出会いなのですが、この2人のその後の関係性は最初の会話に如実にあらわれていました。

「普通囚われの王子が出会うのは、絶世の美姫ではないのか・・・・・・?」(中略)
「それは申し訳ありません。早く絶世の美姫が通りかかるといいですね。では、私はこれで」

こんな風につれない態度をとったために、オデットは物珍しさからアッシュに脅迫され、暇つぶしの相手をさせられ、果ては生きがい認定を食らって彼を幽閉から(自力で)救ってしまうことになるのです。

 

アッシュは、作者曰く「回遊魚系ヒーロー」なのですが、まさに言い得て妙だなと思います。
天性の努力家で、何かにのめり込むように打ち込んでいないと生きる実感を得られないアッシュ。
生きる目標だった王位を奪われ、全力で人生を棒に振ろうとしていたところにあらわれたのが、なにやら面白そうなオデットだったわけです。

 

呪いのせいで(?)鉄面皮+舌打ち+毒舌となったオデットの愛を得ることを次の人生の目標としたアッシュ。
この作品の8割はそんなアッシュの爽やかな不気味さでできています。
あと1割はオデットの毒舌で、残りは妖精絡みのファンタジーストーリーですね。
ラブが少し薄めなのは全部アッシュのせい。

 

爽やかに(というのも何か違う気もするが)不気味な頑張り屋さんのアッシュに、だんだんとほだされていくオデット。
まぁそんなアッシュの想いをすぐに信じられるかというと話は別になるのですが。
正直、読んでるこちらとしてもアッシュが本気でオデットの愛をゲットしようとしているのは怖いほどわかるものの、それが恋愛感情に起因するのかどうか疑わしかったですし、さもありなん。
押し倒したあたりから雰囲気が変わったのは伝わってきましたが。

 

トロアとの和解、レオナールの問題、セイジュの問題etc.がまとめて解決した後もオデットが頑なにアッシュの想いを信じてあげなかったので、これはどうなるのかなー? とちょっと不安に感じていたところにあのラスト。

 

出会いのやり直し、というのはある意味王道展開のひとつなのですが、潔く全力投球なやり方はコミカルで笑えるのに、なんだかすごく素敵でした。アッシュは仲直りも全力だなw

 

回遊魚アッシュや、度々彼に毒づいて押さえ込んで舌打ちするオデットなど、主役カップルのキャラがとても良かった作品でした。面白かったです。

 

愛されすぎた嫌われ姫 囚われの王子の脅迫 (一迅社文庫アイリス)愛されすぎた嫌われ姫 囚われの王子の脅迫 (一迅社文庫アイリス)
小野上 明夜,宮城 とおこ一迅社
売り上げランキング : 5256Amazonで詳しく見る

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。