評価:★★★★☆
実は三部作だったらしいデスニードラウンド完結巻。
全ての元凶であるデスニードラウンドへの潜入任務を受けることになったユリたちですが、これまでで最も過酷で、最も爽快感のある話でした。 ユリの成長が泣けます。
そして際どい際どい!と唸ってきたシリーズの最終巻らしく、ほんとにやばいくらい際どいです。これほぼアウトなんじゃないだろうか。
☆あらすじ☆
ある日、組合から松倉チームに妙な依頼が入る。尋常ではない高額なギャラの仕事とは『デスニードラウンド』というテーマパークで夜な夜な行われている『何か』の調査だった。一般客に紛れてDNRへ来たユリ達は招待を受けたとある園内のレストランへと足を運ぶ。そこはDNRの真のゲストだけが訪れることを許された、秘密の会員制クラブだった。そこでユリ達は知る。DNRの真実と仕組まれた狂気のシステム、そして閉園後の禁断のイベントを。迫り来る、楽しげな音楽と笑顔に包まれた電飾で彩られたパレード、DNRの人気マスコットキャラクター達…。
「愛夢と絶望の国へようこそ!幸福な死を君に―ハピデス!!」
悪夢に占められた夜に、未来を求めて足掻く者達のサバイバルゲームが始まる!
以下、ネタバレありの感想です。
最終巻。
高額報酬の不審な依頼を受けたユリたちに立ちはだかるのは、ディズニーラ○ドのミッ○ー・・・、じゃなかった、デスニードラウンドのニッティー・ザ・モルモットとその愉快な仲間達。
あの夢と希望の国も、このシリーズにかかればここまでグロテスクに仕上がるんですね。特に、黄色い熊の描写があまりにもえげつなくて、作者はプー○んに何か恨みでもあるのかと思ってしまいました。 ああ、プルトンもひどいですね。情欲のはけ口って・・・
ここまでもドナ○ドやらピー○くんやら際どいマスコットを出してきた作品ですが、本丸はそれら以上にさらにやばかったです。DNRもニッティーもまんますぎて。ネタ元を隠す気もごまかす気も皆無でしょ!
前半、DNRに潜入するもハメられ命を賭けた姿を嘲笑されたユリたち。
ユリが傭兵となった経緯の裏側、そして行方不明の両親の末路、DNRという場所に込められた悪意、悪意、悪意・・・・・・。3部作の中で最も濃厚なグロテスク具合でした。ほんとに胸くそが悪かったです。
後半は、そんな彼女たちが「同窓会」と称して仲間を集め、リベンジを果たすところが描かれます。死なない化け物はない、ということで圧倒的物量でDNR、ひいてはニッティー殲滅に乗り出すのですが、ここはもう少し緊張感ある展開が良かったかもしれません。前半とは打って変わって、完全に追い詰める側にまわっていたため、スリルはまるでなかったので・・・爽快感はありましたけどね。まぁ、それでもやっぱり胸くそですが。
持てる力の限りを尽くしてDNRとニッティーを叩きつぶしたユリは、そのまま傭兵として松倉たちと共に生きる道を選びます。胸くそ悪い部分の多い作品でしたが、そんな中で徐々に絆を深めていくユリと松倉達の関係はシビアな部分を残しながらもあたたかさを増していくようでした。読んでいて気持ちのいい関係になったなぁ。大野はぽんこつだから別として。
3部作とあとがきで銘打っただけあって、1巻から3巻まで通して読めば過不足なく面白いシリーズだったと思います。人におすすめできるかといったら、うーんという感じですけど。なんたって際どい上にグロいですからw
余談ですが、冒頭にふなむっしーとかいうキャラが出てきたのには笑いました。うん、確かにあの黄色い着ぐるみキモチワルイから船橋市に命狙われてもおかしくないですねw
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