覇王の娘


『覇王の娘』(市瀬まゆ著/ルルル文庫)★★★☆☆

覇王の娘 (ルルル文庫)
覇王の娘 (ルルル文庫)

新人賞受賞作。
なかなか面白い設定だったので、この1冊に集約させてしまうのはもったいなかったかもしれません。悪くはなかったのですが、設定をうまく活かしきれたのかは疑問。ただ、ヒロインもヒーローも基本的に素直なんで、ふたりの関係性が深まっていく描写はもやもやせずに萌えられて良かったです。あと、泣き虫ヒロインがやたら可愛かったです。

☆あらすじ☆
巴煬(はよう)はかつての敵国・大燕で武将として戦功を挙げ、報賞に大燕王の娘・琳玲(りんれい)を娶ることになった。だが琳玲はいっぷう変わった少女で、人語を解する謎の巨大犬・阿仙(あせん)だけを連れて、ひとりで嫁入りしてくる始末。
初夜に一波乱あったものの、ふたりは微妙な距離を取りつつ微妙な新婚生活を始める。実は琳玲は、白き神竜の加護があるとされる特別な公主だったが…!?
第8回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門優秀賞&読者賞W受賞作の歴史ロマンス、堂々のデビュー!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

異国人の武将である巴煬のもとに、彼の妻として国王から送り込まれてきた王女琳玲
政略結婚ではあるものの、琳玲は巴煬を好きになろうと頑張ります。
この一生懸命な姿はとても印象が良かったです。

 

決められた道であっても、その中で自分が幸せになれる方法を探そうとする琳玲。
当初は彼女をスパイだと疑って割とひどい扱いをしていた巴煬ですが(耳と口をふさげ、にはびっくりしましたw)、天真爛漫で素直で実は賢い琳玲に惹かれていきます。
巴煬と琳玲が互いの距離を詰めていくまでの過程はじれすぎない感じがとても良かったです。

 

なんといっても、巴煬と琳玲のキャラが素敵でした。
泣き虫琳玲にどうにかキスしようと頑張る巴煬、という構図にとても萌えましたw

 

この琳玲ですが、「覇王の娘」というタイトル通り、「覇王になることを神仙に見込まれた娘」だったりします。
阿仙の正体を知っている(もしくは薄々気付いている)父王によって琳玲は幼い頃から王となるための英才教育を受けており、そのため女性ながらに兵法に精通しているという設定はなかなか面白かったです。

 

残念だったのは、クライマックスでの兄王子の陰謀を解決するシーンでこの設定が十分に活かされたのかが疑問だったこと。
王の威を借りた形で場をおさめるのではなく、兵法と知略を駆使してほしかったような気がします。
まぁ、争いが起こる前に事を鎮める必要があったから無理なんですが、・・・・・・それでも見たかったなぁ。

 

設定が面白くて長編シリーズにも耐えられそうなものだっただけに、1冊でまとめるとどうしてもとっちらかった印象になるのは仕方ないのかもしれません。
ちょっと辛口な感想になりましたが、十分に面白い作品でしたし、続編もしくは次回作にも期待したいと思います。

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