吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる1


『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる1』(野村美月著/ファミ通文庫)★★★★★

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)

少なくとも1巻は吸血鬼モノというよりも演劇モノですね。
吸血鬼になったものの普通の高校生として過ごしていた主人公が、ひょんなことから演劇部のお芝居に出演することになってしまう、というお話。
青春小説としてとても面白かったです。本当に素晴らしかった!
吸血鬼となってしまったことへ苦悩や、吸血鬼が吸血鬼を演じるということへの葛藤など、主人公の心の動きがとても丁寧に描かれていた印象。
そして彼を支える先輩との関係がとても魅力的でした。ふたりの関係を劇中劇に落とし込んで昇華させたところも良かったですし。
まだまだ序章ではあるはずなのにこの素晴らしさ。とても先の展開が楽しみな作品でした。

☆あらすじ☆
バスケの強豪校で練習に打ち込んでいた詩也。けれどある日、彼は人ではないものになってしまった…。人を遥かに超える身体能力を得たため、バスケも続けられず転校したその先で、詩也はマリア様を思わせる綺麗な先輩に出会い、告げられる。
「わたしと、おつきあいしてください」
―つれていかれた先は演劇部。そこで詩也は、何と先輩のパートナーとしてドラキュラを演じることになってしまい…!?
ドラマティック青春ノベル、ここに開幕!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

野村美月さんの著作は読みたいとずっと思っていたものの、これが初読みです。
噂にたがわず、情緒的な世界観と確かな表現力でした。素晴らしいですね。他の著作も読みたいです。特に文学少女シリーズ。

 

「吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる」の主人公は、吸血鬼になってしまった高校生原田詩也。
彼が出会ったのは「演劇部の聖女」春科綾音でした。

 

身長的に彼女と釣り合うという理由から、突然演劇部の公演「ドラキュラ〜永遠の恋〜」にドラキュラ伯爵役として出演することになった詩也ですが、そもそも彼は正真正銘の吸血鬼。
ただでさえ身体能力や治癒力が異常に向上したり、吸血衝動への代替行動としてキス魔になってしまっていた彼は、それはもういろいろと悩みます。

 

今回はひたすらうじうじと悩んでいた詩也が、綾音の懸命な励ましや今も未練が残る大好きなバスケへのけじめを通して自分の現状を受け入れ、初公演を無事にやり遂げ、演劇部に正式に入部するところまでが描かれています

 

詩也や綾音の心理描写が非常に丁寧で、作中世界へすっかり入り込んで読んでしまいました。
ふたりとも魅力的なキャラクターだったのですが、特に綾音先輩が良かったです。
高身長の巨乳って珍しい体格のヒロインですが、そんなことよりも彼女自身の優しさや弱さが印象的でした。体型標準って言われてショック受けるところとか、風船ふくらませて悲しさを紛らわせるところとか、可愛いすぎます。
等身大(ちょっと理想多め)の女子高生でありながらも、彼女が事情もわからないまま必死に詩也を助けようとする姿なんて「これぞヒロイン!」という感じでした。可愛いなぁ、もう。

 

詩也と綾音のこの時点での関係性を劇中劇に落とし込んでまとめ上げてしまうところも本当に素晴らしかったです。
最後のほうはだんだんお芝居なのかほんとの感情なのかわからなくなって、挙げ句に綾音がキスまでしてしまったときはドキドキしましたw

 

詩也を吸血鬼にした少女の正体・目的などはまだ不明で、このシリーズがこの先どうなっていくのかはわかりませんが、日常の演劇モノにすこしずつ非日常の吸血鬼というスパイスを入れていくんでしょうか。詩也と綾音の2人がどうなっていくのかもとても気になります。
次の演目は「マイ・フェア・レディ」らしいですし、新刊出る前に映画見ておこうかな。楽しみです!!

 

あと、ずーっと睨んでいたクラスメイトの彼女視点の小話がやたら可愛かったんですが。シスコン理歌ちゃんの出番も増えるといいな。

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