鳳龍彩華伝1 見知らぬ婚約者と初恋の庭


『鳳龍彩華伝 見知らぬ婚約者と初恋の庭』(九月文著/一迅社文庫アイリス)★★★☆☆

鳳龍彩華伝 見知らぬ婚約者と初恋の庭 (一迅社文庫アイリス)
鳳龍彩華伝 見知らぬ婚約者と初恋の庭 (一迅社文庫アイリス)

つい最近完結した「銀の竜騎士団」(角川ビーンズ文庫)の九月文さんが描く中華風ファンタジー作品。
「銀の竜騎士団」のほうは3冊くらい積んだまま放置しています・・・
世界観やストーリーそのものは悪くなかったのですが、全体的にどうにも薄味な感じがぬぐえませんでした。もうちょっとヒーローのキャラづけが濃いほうが好みだったかもしれません。むしろ皇帝がヒーローのほうがよかったかも?

☆あらすじ☆
刺繍好きの貴族の姫・ユァンの夢は“彩師”になって、皇帝に贈る作品を作ること。そのために結婚なんてしていられない。そんな彼女の前に現れたのは、見知らぬ婚約者・流星だった。宰相家の跡取りで幼なじみだという彼を、ユァンは全く覚えておらず…?
流星から好意を伝えられて戸惑いながらも、夢を諦められないユァンは、作品を納めるために訪れた宮で、偶然出会った皇帝・月渓に気に入られ、宮廷に来いと誘われてしまい―!?
運命の糸が絡み合う中華ラブファンタジー。

以下、ネタバレありの感想です。

 

 

「彩師」と呼ばれる職人の最高峰を目指す少女ユァン
国内屈指の名家の娘+刺繍の天才+病弱という設定なのですが、なんとなく都合のいいときだけ病弱になっていたような気がします。
病弱の割には平気で徹夜するのが解せない・・・・・・。

 

彼女の刺繍には神力が宿る、というのは面白かったです。
彩師っていうのは単なる名誉職ではなく、ある種の能力者だったんですね。
糸を絶つことで呪詛を返したり記憶を封じたりできるなんて便利。
もうちょい早めにこの設定を出して、ファンタジー色を強めてくれてもよかったかもしれません。

 

残念ながらユァンによって忘却の彼方に追いやられてしまっていたのがヒーローの流星
正直、びっくりするくらい地味なヒーローでした。
なんでだろう?少女小説のヒーローに必要なスペックを全て揃えた結果、平均点をたたき出してしまったという印象を受けました。
ユァンが流星との失った記憶を取り戻すというのが作品の軸であったため、彼のキャラを掘り下げることができなかったのも一因かもしれません。
しかも肝心の記憶を取り戻すシーンもあっさりしすぎていたのが・・・・・・。
流星がユァンに対して恋心を抱く過程の描写がすっぽ抜けているんですよね。
回想が別れのシーンだけで、幼いユァンと流星が絆を育むシーンがなかったのは残念でした。

 

むしろこっちがヒーローのほうが良かったんじゃね?と思ったのが皇帝月渓
なんというか、色気的なもので流星よりもキャラが立っているような気がしました。
失恋のエピソードがあってことでキャラが掘り下げられていますし。
ただ、月渓と汐妃がふたり揃ってるシーンがなかったことは残念でした。
過去の恋を乗り越えて、今の妃との関係が良好であることを示すものがユァンの主観しかないんですよね・・・・・・彼は今幸せなんでしょうか。

 

いろいろ惜しいところが気になって、そこばかりつついた感想になってしまいましたが、悪くはない作品だったと思います。
続刊もありますし、そこでの掘り下げを期待します。

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九月 文,伊藤 明十一迅社
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