ふしぎの国の守護竜姫


『ふしぎの国の守護竜姫』(尾久山ゆうか著/一迅社文庫アイリス)★★★★☆

ふしぎの国の守護竜姫 (一迅社文庫アイリス)
ふしぎの国の守護竜姫 (一迅社文庫アイリス)

面白かった!
超小国の王様と彼に捕らえられてしまった竜の少女の交流を描くお話。
あとがきにもあるんですが、ヒロインが竜そのものっていうのは確かに珍しいかも。彼女の人とはズレた価値観が可愛かったです。
あと王様モテすぎです。みんな王様大好きだなぁ、ってほのぼのしました。
ラストの展開で「おいおい風呂敷ひろげて大丈夫か!?」と不安になったのですが、コミカルにまとめてくれて良かったです。
これ、続き出て欲しいなぁ。

☆あらすじ☆
夢は竜王様の花嫁になること!それなのに、人間の王エドガルドの罠にかかって竜玉をとられてしまった赤竜ユエン。竜の姿に戻れなくなったユエンは、人間の少女の姿で彼の国に同行することに。辿り着いたのは建国したばかりの弱小国。王宮では美形で最強の宰相が待ちかまえていて―!?
「国を護るのに協力してほしいってどういうこと!?私の竜玉を返して!」
竜の乙女と彼女に一目惚れした青年王&宰相の国造りドラゴンファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

 

主人公が竜!っていうのは結構珍しいんじゃないでしょうか。人間とのハーフとかならたまに見ますけど。
こういう人外ヒロインを出すときって人との違いをどう描くのかが大変だと思うんですが、 この作品のヒロインであるユエンの場合そこまで大きく人との違いを強調してはいなかったようにみえました(よくあるような「浮き世離れした雰囲気」とかは皆無だったので)。

とはいっても、やっぱり竜なので人とはいろんなところが違うんですけど。
面白かったのは貞操観念。裸で異性の前に横たわるのは平気なのに触られるのは嫌とか、男を背中に乗っけて飛ぶのは公開処刑モノだとか。
竜の姿のときに王様を乗せる乗せないでケンカして根負けしちゃったシーンが可愛くてお気に入りです。

 

そのユエンを守護竜にするために連れ去ったのが弱小貧乏国の王様エドガルド
エドガルドは弟以外のすべての登場人物に愛されてるんじゃないかっていうくらいのモテっぷりでした。
ほぼ最初からエドガルドを気に入っているユエンといい、彼に懐きまくっているちび竜のシャオといい、褒めてくれないと拗ねちゃう宰相シルベストといい、みんな王様好きすぎでしょ!
策略家でやり手の王様ですが、ユエンに対する態度は少年みたいで可愛かったです。
衣装がお揃いだ!ってはしゃいだり、竜の背中に乗ってハイテンションで絶叫したり。可愛い王様でした。

 

「一目惚れ」というだけあって、エドガルドは最初からユエンを大事にしているのですが「竜への憧れ」からいつの間に「恋愛感情」になったのか・・・・・・。
ふたりの関係そのものはコミカルに進んでいっていただけに、ラストでエドガルドの告白未遂が切ない雰囲気を出したことにはびっくりしました。え?ここにきて種族差を問題にしちゃうの!?って感じで。

 

びっくりしたといえば、割と序盤から出てきていた「幻蝶」の伏線がラストで神さまを絡めて回収されたのにはほんとに驚きました。
共工とか渾沌とか三足烏とかって、中国神話に出てくる神様たちですよね。
ユアンやシャオは中華っぽい名前ですが、舞台は西洋風なグラナド国だったので、そこにさらに中国神話を放り込むという・・・・・・。
人間は西洋風、竜は中華風てことなんでしょうか。こういうごちゃ混ぜ感は嫌いじゃないですw

 

神話とか遺跡を出してきたときにはまとめきれるか不安に感じたのですが、うまく収めてくれて良かったです。
伏線として残してくれても良かったのですが、続きがでるかもわからないし妥当なとこなのかもしれないですね。

 

この1冊で一応終わってはいるんですが、種族差を意識し始めたユエンとエドガルドのその後も気になるし、名前しか出てこなかった竜王様も出てきて欲しいし、ぜひ続いてほしい作品でした。

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