シンデレラ伯爵家の靴箱館1 恋する乙女は雨を待つ


『シンデレラ伯爵家の靴箱館 恋する乙女は雨を待つ』(仲村つばき著/ビーズログ文庫)★★★☆☆

シンデレラ伯爵家の靴箱館 恋する乙女は雨を待つ (ビーズログ文庫)
シンデレラ伯爵家の靴箱館 恋する乙女は雨を待つ (ビーズログ文庫)

いかにも序章といった感じの新作。
天涯孤独で引っ込み思案のヒロインと、どこかズレた方向に一生懸命になっちゃうヒーロー。そんな二人のやりとりが楽しかったです。
靴にまつわる設定はなかなか面白そうなのですが、今回は紹介だけで終わってしまった印象です。ちょっと展開が読めすぎて意外性に欠けるところがあったのは残念。ただ、「シンデレラ」や「赤い靴」といった有名な童話を取り入れる作品は好きなので、ぜひ応援したいです。次巻以降の展開に期待します。

☆あらすじ☆
新米靴職人&強引令息(オーナー)で贈る、靴にまつわる恋物語!
シンデレラの末裔であるディセント伯爵家は、いわくつきの靴を蒐集している――そんな噂を聞いたエデルは、ひとりでに動く母の遺品“赤い靴”を鑑定してもらおうと、次期当主・アランの元を訪ねた。だが、彼が告げたのは……驚くべきシンデレラの真実!! 靴を取り上げられたエデルは母の死の真相を知るため、極度な人見知りにもかかわらず、アランの経営する靴店『ガラスドーム』で働くことにするが!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

ヒロインのエデルは天涯孤独の身の上の靴職人。母の遺品である赤い靴が勝手に動いてしまうことに困り果てたエデルは、不思議な靴の蒐集家として有名なシンデレラ伯爵家次期当主のアランの所にそれを持ち込みます。この出会いによって、エデルは赤い靴をはじめとする「魔術師の靴」の存在と、それを集め封印するといったシンデレラ伯爵家の使命について知ることになる、というお話でした。

 

「シンデレラ」という誰もが知っている童話を色々いじくって解釈して、本来のものとは異なるイメージをもたせる、というのはかなり私好みの作風でした。こういうの楽しいですよね。
この先も、「シンデレラ」を作者独自にアレンジしてうまく物語に取り込んでいってほしいです。あれって実はけっこう怖い童話ですしね。この作品の中でもシンデレラは稀代の悪女として描かれていますけど、熱した鉄靴を義理の姉たちに履かせて踊らせた、とかのエピソードもいつか出てくるのかな。王妃の座の引換えに家族の命を犠牲にした、というのは出てきましたがどう犠牲にしたかは書いていませんでしたし、そこらへん詳しく教えて欲しいですね!(ビーズログ文庫だから無理か?)

 

という感じで作品の雰囲気は私好みでなかなか良かったのですが、いかんせん今回のお話は展開が読めすぎてしまったのは残念でした。セスが黒幕だとか、カーレンが赤い靴に操られて通り魔事件を起こしたこととか、早い段階であからさまに分かってしまうので、特にどんでん返しもないストレートな結末に物足りなさを感じました。
セスについてはもう少しぎりぎりまで隠しても良かったんじゃないかなぁ。あまりにもすぐ黒幕だってわかっちゃったせいで、私は逆にジジが真犯人なのでは、と疑っていました・・・・・・

 

ストーリーは今ひとつだったのですが、キャラはとても良かったです。
特にアラン。恋愛指南書片手に悪戦苦闘している姿に萌えました!
一歩間違えるとセクハラ&パワハラですが、頑張って!!!

 

それはそうと、ヒロインが職人+イラストがあきさん、ということでドレスや砂糖菓子などの他レーベル作品を思い出す方が多いのではないでしょうか(少なくとも私はそう)。
この作品は、前半は靴職人であるエデルがアランの経営するガラスドームに馴染んでいく姿を描いているのですが、靴を作っている描写は上の2作品に比べると少なめに感じました。1巻だからかな?靴作りなんてドレス(洋裁)や菓子作り以上になじみがないものなので、次巻以降もう少し描写が増えてほしいところです。

 

収拾つかない感じに色々書きましたが、先の展開が楽しみな新作でした。続きも早く読みたいです。

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仲村つばき,あきKADOKAWA/エンターブレイン
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