ノーゲーム・ノーライフ6


『ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです』(榎宮祐著/MF文庫J)★★★★★

ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです (MF文庫J)
ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです (MF文庫J)

まさか1巻とは真逆の評をつけることになるとは。
6巻にして「0巻」。大戦の真実が明らかになる過去編です。どこか既視感のある2人の男女が出てきます。彼らがいかに戦い、どう生きたのかを見事に描き出していて、5巻までの経緯を踏まえて読むととても感慨深いです。
もうほんと、ノゲノラに泣かされるなんて夢にも思わなかったですよ・・・

☆あらすじ☆
ゲームで全てが決まる世界“ディスボード”―を創った唯一神テトは、エルキアの路地裏で、ひっそりと…空腹で行き倒れていた。いづなの施しで生き存えたテトが語るは、「六千年以上前の物語」―天を割り地を裂いた『大戦』を“ゲーム”と断じ、世界に挑んだ男とその傍らに寄り添った少女。
「―なぁ、またゲームしようぜ…今度こそ、勝ってみせるから、さ…」
記憶にも記録にも遺らない、それでも“僕”だけは忘れない物語―“最も新しき神話”へと至る“最初の神話”―大人気異世界ファンタジー、第6弾!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

 

テトがいづなに聞かせる「語られることのない神話」。「大戦の真実」。

それは、ここまで幾度となく触れられてきた疑問、すなわち、なぜ人類種は大戦の中で生き残ることができたのか?への解答でした。

 

主人公はどこか既視感を覚える2人。
人知を超えた争いの余波だけで滅亡寸前の人類を、なんとか存命させている少年リク
リクの心を知りたいと、機凱種から切り離されても彼と共にいることを選んだ少女シュヴィ
狂った世界の中で、徐々に「心」を通わせていく異種族の2人の出会い、共闘、結婚、そして別離までを繊細かつ情緒的に描かれていきます。

 

リクとシュヴィの関係の変遷がたった1冊の中でしっかりと描き出されているからこそ、シュヴィがリクの手を離してしまったことというミスの重大性が衝撃をもって読者に伝わるのだし、そこからの絶望感、そしてシュヴィの「心」を受け取った機凱種たちの覚悟の悲壮感、全てを分かった上であえて目を瞑るリクの選択が涙を誘うのでしょう。
シュヴィの最期のシーンはほんとにぽろぽろ泣きました。くそう。弱いんですよ、こういうの。あざとい!でも感動した!
そしてリクとシュヴィの「おねえちゃん」の正体にも感動しました。コロンが常に見送る側であったことを考えると、まがりなりにも『  』の戦いに協力できているステフの今の立場は感慨深いですね。今度こそ置いて行かれないためにも、ステフの健闘を祈りたいです。

 

輪廻転生のないとされる世界で、「リクとシュヴィ」と「空と白」の関連性は明かされませんでした。でも、どう想像するのも自由ですよね。手を離してしまったリクたちの失敗を繰り返さず、彼らのリベンジを『  』に果たしてほしいものです。

 

それにしても、榎宮祐という作家の成長の著しさに驚愕と尊敬を感じます。本当にすごい。正直、こんなに情緒豊かに「泣かせる」レベルの人物描写をできる方だとは思っていませんでした。だって本職はイラストレーターだったんでしょ・・・?
文章力を含め(1巻に比べれば格段に読みやすくなってはいます)まだまだ粗い部分は確かにあるものの、1巻から6巻まででここまで急成長をとげた小説家を私は知りません。繰り返すけど本当にすごい。

 

この「0巻」によって、5巻までにおかれてきた様々な伏線も回収されました。
なぜ人類種は大戦を生き残れたのか、大戦を終結させた原因は何だったのか、なぜテトは唯一神の座を手に入れることができたのか。

 

疑問への解答だけでなく、現在において続く空たちの次なる戦いへの布石ともいえる話だったことが最後に明かされます。
「幽霊」となって身を削り、最後にはその身を投じながらもリクとシュヴィが願った世界。
彼らの願いから生まれたテトが作り上げた「ディスボード」。
その本来あるべき姿を歪める神霊種を、いかに殺さず降すか。

 

いよいよ序列一位とのゲームに突入するようです。早すぎない?クライマックスも近いのか?
いずれにせよ、とても続きが楽しみです。

 

ジブリールは確かにアレだったけど、嫌いにはなれませんよ・・・・・・

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