『朱華姫の御召人 かくて愛しき、ニセモノ巫女』(白川紺子著/コバルト文庫)★★★★☆
朱華姫の御召人 かくて愛しき、ニセモノ巫女 (コバルト文庫 し 17-5)
かなり好みな少女小説でした。甘やかし系ヒーローの過保護っぷりが素晴らしい。糖度も1巻にしてはほどよい感じでした。
飛鳥時代らへんの日本をベースにした架空の世界で、神話の要素をたっぷり盛り込んでいて面白かったです。
いくつかの重要な伏線をおいて終わったので序章なのでしょう。続きも楽しみです。
☆あらすじ☆
絶対に誰にも知られてはいけないーーー
母との約束で、先帝の血を引いていることを隠して生活している蛍。親戚の家で下働き同然に扱われていたが、ある日突然、奥の髪に仕える巫女、朱華姫に選ばれてしまい、帝の宮に住むことに!しかも、慣例として第二皇子の柊が御召人となり、常に世話を焼かれるようになる。慣れない生活に四苦八苦する蛍だが、予想もしない秘密と向き合うことになり・・・!?
以下、ネタバレありの感想です。
主人公は先帝の隠し子蛍。
先帝は政争の末に殺されてしまっており、彼女の出生には他にも秘密がありそうでしたが、そこらへんは明らかになりませんでした。
なぜ彼女の母が神器である笛を持っていたのか。そもそも「禍がおこるから」と蛍を帝の宮から遠ざけようとしていた母の真意は何だったのか。
ここらへんが、この物語の中心的な謎になるのかもしれません。
千依神と穢れ神の争いも関わってきそうですし、面白くなりそう!
蛍は御召人として仮の夫となった柊にひたすら甘やかされるのですが、 だからといってそれに甘んじるわけじゃなく自力で道を開こうと頑張る姿が好印象でした。
ぽやんとして食い意地がはってるのも可愛かったですし。きのこ博士設定の必要性は疑問でしたがw
ちょっと頼りないけど、正式に朱華姫になったわけですからこれから成長するのでしょう。楽しみです。
そして蛍の相手役である柊!
もうほんとこの人はどこまで甘やかすの!!ってくらいダダ甘です。しかも無意識で自覚なし。
柊と蛍が一緒にいるシーンで、蛍が自力で歩いているのって数えるほどしかないんじゃ・・・・・・。なんて便利なアッシー(死語)
穢れ神にたたられているということでしたが、その謎も今巻では明かされませんでした。傷を治してくれるなら悪いモノじゃないんじゃないのかなぁ。
脇を固めるキャラたちも素敵でした。
まずは帝と皇太子の腹黒親子!w
笑顔できつい言葉を吐き出しまくってましたねー。主役カップルが割とぽやんとしているので、この人達が出てくると物語にメリハリがきいて良かったです。
朱華姫のお付き人となった絲さん(さん付けしたいキャラでした)も裏表なくハキハキと言いたいことを言う性格で、これからの活躍に期待したいお姉さんでした。主人公と同い年とは思えない(性格的にもイラスト的にも)
今回は蛍の朱華姫就任を妨害しようとする勢力とのいざこざと、千依神悠宜の登場で終わってしまいましたが、次回からは蛍や柊の秘密に迫っていくんでしょうか。続きがとても楽しみです。
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