『彼と彼らと《m》神々の日常』(汐見まゆき著/ビーズログ文庫)★☆☆☆☆
表紙に釣られて買ったのですが、正直、私には合わない作品でした。
日本の神さまたちが出てくる作品は結構好きなものが多いので、残念です。
☆あらすじ☆
憑いてる主人公、部活はじめるってよ!男子高校生の“非”日常系ラノベ登場!
後ろ向き男子高生の土門チヒロは、転校先で出会った美少年・鷺ノ宮郁から“やお部”に入らないかと誘われる。
『厄病神』に取り憑かれ、生まれながらに「祟り」と遭遇してきたチヒロは、全力で人と関わりたくない。
そもそも“やお部”って何だ。だがその部には、祟りにまつわる曰くがあり……!?
チヒロを愉しげにおちょくる厄病神と、変人部員揃いの男子高校生を描く“非”日常系ラノベ登場!
以下、ネタバレありの感想です。ネガティブ注意。
決して読みにくい文章というわけではないのですが、比喩表現がわかりづらく、なかなかページが進みませんでした。
それに加えて本題に入るまでが長すぎたように感じました。
主人公チヒロが、総鎮守としてまつろわぬ神々を従わせるというのが主題なんですが、これが結局どういうことなのかよくわからない。怪異現象を起こす神々を倒していけばいいってことだったんでしょうか?なんだか、チヒロが周囲に流されまくって、てんやわんやしてるうちに事件が解決したという印象でした。
どうしても目が滑るというか読むことに集中できなかったせいもあるんですが、それにしたってラストの展開は急ぎすぎていたように思えて残念でした。
後味も悪く感じました。
チヒロは祟りのせいで17歳を迎えられずに死んでしまうという宣告を受けるんですが、それに関してはこの巻で何も解決しないまま、「みんなと卒業できないかもしれない」というアンニュイな気持ちで物語が終わってしまいました。シリーズ化前提だったとしても、もうちょっと希望を見せる締め方ができなかったものか。 ネガティブ主人公に引きづられたのか、鬱々とするラストに読んでいて気が重たくなりました。。
あとがきには何も書いてなかったけど、続きは出るんですかねぇ。
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