グラウスタンディア皇国物語2


『グラウスタンディア皇国物語2』(内堀優一著/HJ文庫)★★★★☆

グラウスタンディア皇国物語2 (HJ文庫)
グラウスタンディア皇国物語2 (HJ文庫)

万能軍師が主人公のファンタジー戦記第2巻。
今回は、様々な国の様々な立場の人物達にスポットを当てて物語が展開されていきます。前回の海賊騒動をきっかけに、グラウスタンディア皇国は軍事国家リジアとの戦争に突入しました。この巻ではジリジリと本格的な戦闘の前の小競り合いが描かれています。次巻が本番かな。ファンタジーな伏線もちらほら出てきて気になります。
この作品は、私みたいな普段戦記物を読まない人間でも丁度良く燃えて楽しめているので、戦記に苦手意識がある方にもおすすめできそうです。

☆あらすじ☆
軍事大国リジアとの全面戦争、突入。
海賊に扮して罠を張っていた四千のリジア海軍を相手に、少数の軍勢で勝利を収めた《皇国七聖》の軍師クロム。
その際に得た800名余りの捕虜を交渉材料とし、クロムは皇女ユースティナのお付きとして開戦の緊張高まるリジアとの会談に臨むことに。
しかし会談の直前、クロムは皇太子ダカットから急遽、不可能とも思える敵情視察を命じられてしまい!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

避けることのできない戦争を前に、いかにして負けない戦いをするか。

 

海賊騒動をきっかけに、ついにリジア宗旨国家との全面戦争をすることになったグラウスタンディア皇国。とはいえ、そもそもの海賊騒動からしてリジアの策略だったわけで、準備万端な相手に対してどこまで時間を稼げるか、というのが今回のお話。全面戦争の前の準備段階の印象が強く、本格的な戦争を描くのは次巻からになりそうです。

 

本筋はそんなところなんですが、今回は群像劇風にいろんな人が登場してキャラの掘り下げも行われています。大きな流れとしては地味な話なのに、舞台と人物が忙しなく転換するから飽きずに楽しく読めて、そこにとても満足しました。

 

いろんな人の話が出てきたのですが、まずは主人公クロム
クロムがラングに拾われてカウフマンに弟子入りするまでの経緯が明らかになりましたが、それ以前の彼に何があったのかはまだ不明です。本当の妹のほうのリュリュに何があったんだろう。
「ウツロ」のほうのリュリュもまだ多くは謎のまま。彼女の夢に出てきた精霊神が不気味すぎです。

 

女性陣も頑張っていました。
ユースティナフィフニスは前回はクロムの賑やかしみたいなポジションにいましたが、今回はそれぞれが自分の役割をしっかりこなしていました。ユースティナは勉強の成果を見せて優秀さを示したし、フィフニスは青臭い真っ直ぐさが良かったです。まさかダグラスが彼女の部下になるとは思いませんでした。
あと、なんだか気になるのはラトルグの人々。
今回、断章という形でラトルグの王位継承争いが平行して描かれていました。途中まで面白かったんですが、コウソンの公判における反撃シーンは少し展開に無理があるような気がしたのが残念でした。第一姫を堕とすのが簡単すぎたような・・・
シュウバイの陰謀で北方騎馬民族討伐に向かうことになったコウソン。これから先、どういう風に本筋と絡んでいくのか楽しみです。

 

ファンタジー的伏線もいくつかみられたのですが、気になるのは地形の話でした。
グラウスタンディア領になってから降水量が増えて山が増え始めたフルクロ地区。領土になると地形がその国の特徴に沿って変化する、ということなんでしょうか??
精霊神が関係しているんだろうか・・・ダカット皇子は何か知っているようでしたけど、うーん気になる!

 

この巻は、30万ものリジア軍による皇都包囲網が完成しつつある、という絶体絶命の状況で終わってしまいました。姫のもとに戻ってきたクロムがどういう策略でこの危機を乗り切るのか。
夏に出るという3巻がとても待ち遠しいです。
次はちゃんと挿絵が収録されているといいのですが(イラストの鵜飼沙樹さん、ブラック・ブレッドのアニメ化で忙しかったのかな・・・)

 

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