『Re:ゼロから始める異世界生活3』(長月達平著/MF文庫J)★★★★★
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前巻の感想はこちらから
2014年3月刊。
面白かった!!!
前巻の重苦しい展開を経てこその解決編。カタルシスが素晴らしい。
正直苦手な主人公だったスバルの好感度もうなぎ登りです。相変わらず無力で泥臭いんだけど、今回はほんとにかっこよかったです。そしてほんとによく頑張っていました。
3巻をひとことで表すなら「E.M.T」ですね!
☆あらすじ☆
さあ、物語を動かそう。大切な人たちと、同じ朝日を迎えるために。
強い決意を固めて、屋敷の始まりの日へと舞い戻ったスバル。ロズワール邸で繰り返したループの記憶を総動員し、最高の選択を行うことで惨劇の回避を狙うスバルだったが、絶対に失敗できないという恐怖心とプレッシャーはスバルの心を蝕んでゆく。そんな砕け散りそうな心を抱えるスバルに、あの始まりの日と同じ微笑みを浮かべるエミリアが手を差し伸べて…。
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以下、ネタバレありの感想です。
レムの信頼獲得と呪術師捜しに挑むための5回目のループ。
これまで以上にスバルが頑張っていました。頑張りすぎて痛々しいくらいでした。
絶え間なく緊張状態にあるせいで心身共にボロボロ。
そんなスバルに救いの手をさしのべたのは、2巻では空気ヒロイン化が危ぶまれたエミリアでした。
膝枕のシーンはほんとに良かったです。エミリアの慈愛があふれていていました。彼女は確固たるヒロインの地位を築きましたね。うんうん、これは確かにE.M.T.(エミリアたん、マジ天使)。
スバルが早々とエミリアへの恋を自覚したのも個人的にポイント高かったです。ただひとりのヒロインへの恋のために頑張る主人公って応援したくなります。
エミリアの精神的治療を受けて立ち直ったスバル。
そこからの彼は冴えていました。
呪術師の正体が近隣の村にひそむ魔獣であることを突き止め、魔獣に襲われた子供たちを救出し、それによってレムからの信頼も獲得するという感じに、まさにトントン拍子に展開していきます。
あまりにも順調にいきすぎて、いつループでリセットされてしまうのかヒヤヒヤしながら読みました。よかった、今回は死ななくて。
自分をかばって複雑に呪いを掛けられたスバルを救うため、魔獣殲滅に挑むレム。
そのレムを助けるために動くスバルとラム。
裏切られ殺され続けた2巻があったからこそ、互いを助けようと共闘する3人の姿に感動します。ここにたどり着くまでほんとに長かった!
スバルは「死に戻り」の能力しか持たない無力な主人公ですが、常に前向きに在ろうとするメンタルの強さが良いですね。この泥臭さが魅力的に思えてきました。
過去の負い目にとらわれるレムに対する、「鬼と笑いながら来年の話をすんの、夢だったんだよ」という彼のセリフも素敵でした。
ご都合主義なところもあったものの、2巻とあわせてとても面白かったです。
やっと異世界生活の拠点となるべき居場所を手に入れたスバル。これからどういう展開になっていくのか・・・。
スバルの「死に戻り」能力には嫉妬の魔女サテラが関わっているらしいことは明らかになりましたが、影だけでなく魔女自身もいずれ出てくるのかな。エミリアと容姿が似通っているのには何か理由があるのでしょうか。
「龍を殺す」というロズワールの目的も気になります。鬼であるラムとレムを駒にして何をするつもりなんでしょうか。
物語そのものは次巻からが本番ということなので、これは続きも大いに期待できそうですね。
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