棺姫のチャイカ1


『棺姫のチャイカ1』(榊一郎著/富士見ファンタジア文庫)★★★☆☆

棺姫のチャイカI<棺姫のチャイカ> (富士見ファンタジア文庫)
棺姫のチャイカI<棺姫のチャイカ> (富士見ファンタジア文庫)

4月からアニメ化ということで、読んでみました。公式Twitterが可愛いかったので。
原作者は榊一郎先生。「ポリフォニカシリーズ」や、「アウトブレイク・カンパニー」などヒット作を量産する大御所ですね。なんというか、この人の作品はラノベの様式美を備えているのか読んでいて安心します(ポリ赤Sはいまいちだったけど)。 まだ序章ですが、面白くなりそうです。
この作品では、主人公がある動機をもってチャイカと行動をともにするのですが、その動機が普通と違って良いです。あとヤンデレな義妹もでてきます。怖いです。

☆あらすじ☆
目覚めればそこに義妹アカリの美しい顔があった。「兄様。おはよう」彼女は四つん這いで、俺―トール・アキュラの上に跨っていた。枕には、アカリ愛用の鉄槌が深々と突き刺さっている。戦乱の後フェルビスト大陸を兄妹で放浪し、その日暮らしをしてきたが、とうとう食い詰めてアカリは俺に業を煮やしたのだ。「働いたら負けだ」とひとりごちながら、食料を探しに山林へ入ると、何かが草むらに潜んで動いている。凶暴な棄獣かと構えたが、現れたのは小柄な少女だった。「お…襲う?」黒い衣装をまとい、棺を背負った不思議な少女は、大きな紫の瞳で俺を見つめる。彼女―チャイカと俺はこうして出会い、世界は再び動き出した。

以下、ネタバレありの感想です。

 

舞台は300年続いた戦乱が終わった戦後の時代。
長年夢見た「平和」な時代のはずなのに、人々はそもそも「平和」がどんなものかわからずに模索中、という状態の様子。

 

主人公はトール・アキュラは乱破師の里で育った少年。
乱破師って、要するに忍者のことですよね?作中では暗殺者とか傭兵とかとは区別されているようでしたし。
トールは戦うために生きてきたのに、いざ初陣というところで戦争が終わってしまい生きる目的を失ってしまっていました。義妹アカリに脅されても「働いたら負けだ」とぶちぶちと文句を言っている姿は本当に情けなかったです。

 

そんなトールが出会ったのが大きな棺を担いだチャイカ・トラバント

 

チャイカは片言の公用語しか話せません。そこがなんだか可愛かったです(笑)

 

あるモノを取り返すために領主の屋敷に忍び込むのを手伝って欲しい、というチャイカの依頼を受けたことから、兄妹は彼女の運命に巻き込まれていく、というところまでが1巻では描かれています。

 

まぁ、巻き込まれていく、というより自ら飛び込んでいくという感じかもしれません。

 

トールはチャイカの抱える事情に戦乱の火種をみつけ、平和な世界よりも動乱の中で自分が生きた証を刻みたいと考えていますし、アカリは兄が(働いて)いれば何でもよさそうですしね。

 

チャイカは、戦乱の象徴と言える『魔王』アルトゥール・ガズの娘であり、バラバラにされて別々に保管されているアルトゥールの身体を集めるために旅をしていて、アキュラ兄妹はこれから彼女に同行することになります。

 

『魔王』といっても、戦勝国がつけたあだ名のようなものですので、実態は不明。
このシリーズは「魔王の身体集め」の物語になるんでしょうか。エジプト神話のオシリスとイシスの話を思い出しました。
ただ、「魔王」の身体というのはそれだけで動乱を招きかねないほど強い力を持っているらしく、終盤で対決したジレットたちとの争奪戦になっていくのでしょう。

 

死んだはずなのに生きていて、しかも全く成長していないというチャイカの謎も気になります。

 

1巻は旅に出るまでを描く序章でしたが、主人公が平和な世界よりも動乱を望むというのが(それがチャイカに手を貸す理由の全てではないとしても)面白いと思いました。
もっとも、彼がそんな性格になってしまった理由づけの過去のエピソードはちょっと軽すぎるような気がしましたけど。妊娠中の初恋の人の話はほんとに必要だったのか?

 

とりあえず、続きに期待します。

4829135964棺姫のチャイカI (富士見ファンタジア文庫)
榊 一郎 なまにくATK
富士見書房 2010-12-18by G-Tools
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