『英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!?』(久賀理世著/コバルト文庫)★★★★☆
英国マザーグース物語―新聞広告には罠がある!? (コバルト文庫)
英国ライトミステリー第2弾。
子爵令嬢の男装新聞記者生活は継続中で、秘密の婚約者との関係も相変わらずです。ただ、今回はミステリーには欠かせない怪盗登場!ということで盛り上がっていた印象。面白かったです。
☆あらすじ☆
19世紀末のロンドン―。ある目的のため、セシルは見習い記者として働いている。令嬢という身分を隠し、性別さえも偽る生活だが、仕事上のパートナーであるジュリアンとの仲はとても良好だ。そんな今、ロンドンの街は“怪盗ブラックバード”の話題で持ちきり!鮮やかな手口で貴族の邸宅から宝飾品を盗み、黒い羽根を残して消える大怪盗―。ある日、セシルは怪しい新聞広告に目をとめて…。
以下、ネタバレありの感想です。
今回は短編集のようでいて、実は全部のお話がつながっているという構成でした。
第1話 土曜の午後は陰謀の時間
あからさまに怪しい新聞広告の依頼者の正体は!?というお話。
図書館デートって素敵ですよね。
今回出てきたミステリの中で黒猫のやつしか読んだことなかったのですが、黒猫につけられる気がしなかったので私は清廉潔白ということなのだなと思いました(え)
セシルと兄弟のようだといわれて喜ぶジュリアンと、そんな彼にジェラシー丸出しのダニエル兄ちゃんの反省会は相変わらずでした。この2人ほんと良いな。
冒頭のインタビューといい、だんだんダニエルのシスコンがひどくなっておる・・・・・・
第2話 土曜の午後は思い出の時間
扉絵の4兄弟が素敵。仲良しのほのぼのした空気がよく出てますよね。
セシルの友達になったソフィとアメリアが初登場。
アメリアが予想以上に良いキャラしていて楽しかったです。それにしてもやっぱりセシルは実は美人というかかなり美人の設定なんですね。いつかがっつり着飾ったセシルを書いてほしいな。
第3話 黒ツグミは見果てぬ夢を運ぶ
前二話は第3話の下準備でこちらが今回の本編ですね。怪盗ブラックバードの正体に迫る!
ミステリーに怪盗が出てくるとわくわくするのですが、ブラックバードの正体は思いっきり予想を外しました。悲しい。読み終わって思い返せばガブリエルが怪しいって明らかなのに。ミスリードのランディに思いっきり引っかかってしまいました。悔しい。なんかほんと悔しい!
しかもガブリエルの入れ替えは全然予想外。廃病院のくだりでも気付きませんでした。またまた悔しい!
・・・・・・でもその分、前巻よりも面白かったです。だから満足。
ガブリエルの再登場はあるのでしょうか。義賊ぽいんで好きなキャラですし楽しみです。
本編もとても面白かったのですが、ジュリアンとセシルの関係も少しずつ近くなってます。
ジュリアンを無意識に頼りにしてしまっているセシルが可愛いです。そんなセシルにしばしば自重するの忘れて距離感詰めるジュリアンの男色家疑惑が面白かった。やっぱそうなりますよね。
もうちょい糖分欲しいような気もしますが、このもどかしい距離感も捨てがたいです。次巻もどうなるのか楽しみ。
各話冒頭のインタビューがサミーによるものだと明かされて萌え死ぬかと思いました。この4兄弟ほんと可愛いな!!