『影の王の婚姻 第二の真実を告げる者』(天海りく著/ビーズログ文庫)★★☆☆☆
影の王の婚姻2 第二の真実を告げる者<「影の王の婚姻」シリーズ> (ビーズログ文庫)[Kindle版]
わんこヒーローがかわいいシリーズ第二弾。
クロードは相変わらずかわいかったし、新キャラもなかなか良い感じではあったんですが。
残念ながら面白くない。
キャラがちゃんと動いていないのが気になって仕方なかったです。色々もったいない作品です。
☆あらすじ☆
婿公子、(恋も仕事も)急成長!? えんため大賞受賞作、待望の第2弾!
騒乱から早三月。“影”としてではなく表から国を支えるため、クロードと共に奮闘するフィグネリア。 そこへ神殿から急な呼び出しが。どうやら第二の真実を告げる神霊・ルーロッカが地上に降りてきてしまっているらしい。フィグネリアは不正の調査で動けないとあって、クロードが捜索にあたるが……王宮内で傷害事件が発生!? 婿公子の教育の成果やいかに! 婚姻ラブロマン、待望の第2弾!!
以下、ネタバレありの感想です。ネガティブ注意。
えんため大賞受賞作なので、本来続きを想定していない作りだからかもしれませんが、設定の粗がいろいろ出てきましたね。
1巻読んだときにも、皇位継承第1位の皇女の結婚をこんな簡単に決めちゃうなんていいのか?大国なのに?と思ったものですが、 今回ではそれを作中の新キャラが突っ込んでいます。
キャラに突っ込ませるのはいいのですが、その返しがうまくない。
冷静沈着で頭のキレる参謀タイプのヒロインだけに、もうちょっと小国の公子であるクロードと結婚している状況を周囲に認めさせる努力とか策謀みたいなものが欲しかったです。しかも、今回でクロードは精霊王としてかなり厄介な事情を抱えていることが浮き彫りになったわけだし、実際それが原因で王宮に混乱が生じてしまっています。
今回の混乱の原因となった神霊ルーロッカ絡みの事件は解決できたものの、神霊が降りやすくなっている状況は大して改善されていません。そのうち収まるように頑張ります、みたいな。
大丈夫かよ、この国。
クロードの血筋に精霊王が生まれるってわかったんだし、それをいずれ皇帝になるかもしれないフィグの夫としておいていいのか、っていうところにもうちょっと悩みをみせてほしかったです。今のままじゃフィグは頭いいっぽい恋愛脳な王族にしか見えません。残念。
一応は問題として認識しているようなので、もしかしたら続刊で大きく取り上げるのかもしれませんけどね。
あと、今回はクロード回なだけあって、クロードはめちゃくちゃ動き回るし、彼のけっこう陰惨な過去とかも明かされるわけですが、フィグの活躍は皆無に等しかったです。せっかくの夫婦ものなのに、どっちか一方の活躍しかないというのはちょっと寂しいです。
ルーロッカの引き起こした事件そのものは、割と明確に起承転結がつけられていたので読みやすくはあったのですが、イマイチ盛り上がりきれないというか。面白かったとは言えないレベル。
1巻は全体的に平均点、という感想をつけていたのですが、2巻は平均点を下回ってしまった印象。3巻もすでに買っちゃってるので、ここから面白くなることに期待したいです。