『おこぼれ姫と円卓の騎士 皇帝の誕生』(石田リンネ著/ビーズログ文庫)★★★☆☆
キルフ帝国編完結。皇帝は途中から予想通りだったなぁ−。相変わらず地の文の視点が乱れてて誰のモノローグなんだかわからない箇所が多いです。
でも今回はヒロイン不在でヒーローである騎士たちがやっと輝いてくれたので、満足です(笑)
☆あらすじ☆
最強女王、囚われる――!! 大人気シリーズに、とんでもない強敵登場!?
「騎士王、貴女こそが皇帝に相応しい」――己の秘密を知る“誰か”の存在により、キルフ帝国後継者争いに巻き込まれたレティーツィア。そこへ、ずっと行方不明だったキルフ帝国第四王子・アルトールが姿を現した!なんと彼は『神殺しの魔法陣』を使ってレティを拘束。目の前で主君を奪われたデュークは、アストリッドと共にレティを助け出そうとするが……!?
以下、ネタバレありの感想です。
レティが騎士王の生まれ変わりだと知る人物の存在を匂わせて終わった前回。
その人物は騎士王の軍師ユージェスでした。彼は、肉体が死んだ後も騎士王との約束を果たすため、宝石にひそみ、アナスタシア姫の弟アルトールに取り憑いていました。
ユージェスの罠にはまり、捕らわれてしまうレティ。
これまで散々無双しまくってヒーローの出番を奪い続けたヒロイン(悪役みたいだな)の不在により、ここにきてようやくデュークやアストリッドが輝き始めました・・・!
アストリッドは元暗殺者だし「剣」持ちだからこれまでも出番はあったけど、デュークはなまじレティと似たような能力だったのでレティいると目立たなかったんですよね。ただでさえ騎士は他の王族とかいる場面では台詞もなくているのかいないのかよくわからない場面が多かったですし。影の薄いヒーローにようやく光が当てられました!
おこぼれ姫を読んでいると、ヒロインが強すぎると少女小説として成り立つのは大変だなってすごく思います。
少年向けライトノベルでは主人公が俺tueeeと無双してても可愛いヒロインには別の存在価値があるものの、少女小説でヒロインが無双しちゃうと「あれ?ヒーローいらなくね?」てなっちゃいますもんね。
ライバル多いし活躍の場面はレティに奪われがちだけど、頑張れデューク!精神年齢の異常に高いヒーローとして応援してます。
そんなこんなでキルフ帝国編もおしまい。案の定、アナスタシアが女帝になりましたね。敵対国の君主どうしという立場になったレティとアナスタシアの最後の会話はとても良かったです。レティがやたら男前だった。
そして、おこぼれ姫に最も足りない要素である糖度も、ほんの少し最後に盛り込まれてきましたね。デュークの気持ちを知ってレティがこれからどう動くのか。・・・・・・なんとなく、何も動かない気がしないでもないな。
でも期待してます!
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