『薔薇のマリアⅢ 荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐』(十文字青著/角川スニーカー文庫)★★★★☆
薔薇のマリア III.荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐 (角川スニーカー文庫)
SmC編完結。そしてVer0からの一連のストーリーに一区切りです。戦争してます。むごい。暴力が支配する世界で非力なマリアが懸命に頑張っています。読んでて緊張しますが、読了後の開放感が最高です。
☆あらすじ☆
ベアトリーチェを救出したのもつかの間、エルデンの正義を守る“秩序の番人”と凶悪クラン“SMC”が全面対決に突入。マリアたちZOOにも再びSMCの極悪リーダーSIXの影が迫っていた。進撃するZOO。しかし激しい攻防の最終局面、彼らの行く手を阻んだのは、なぜかマリアにとって最高の味方であるはずのアジアンその人だった!対峙するアジアンとZOOのマスター・トマトクン。なぜ二人が!?今宵マリアにあまたの涙の雨が降る。
以下、ネタバレありの感想です。
前巻のベアトリーチェ誘拐事件をきっかけに、ついに秩序の番人とSmCの戦争が始まります。
SmCは悪逆非道という言葉を体現していきます。正々堂々宣戦布告しておきながら、小細工と罠の嵐嵐嵐。
番人が守ってきたモリー・リップス・アサイラムを襲撃したり、一騎打ちとみせかけて番人の総長を落とし穴で殺したり。
もうね、読んでて辛いきつい痛い。
大事な人を守れないマリアやベアトリーチェの悲鳴にも似た心情の吐露も重い・・・
だけど、読む手が止まらない。続きが気になって仕方なくてどんどん読み進めてしまいます。
乱立する死亡フラグにもビクビクしまくりでした。
モリーとベアトリーチェが死ななくてほんとに良かった。
一応、SIXは死んだということになってるけど、腕が持ち去られてるとこみると、やっぱり再生するんだろうか?
SIXとトマトクンの正体がさらに謎だらけに。人間じゃない??
そして今回もマリアローズはほんとにめいっぱい頑張ってました。もはや定番のように自分の無力さに落ち込みつつ、仲間のために自分のできることを必死で探すマリア。可愛くて仕方ないヨ。アジアンのモノローグがマリアだらけなのも仕方ないネ。
SmC編は読んでて負荷がすさまじかったんですが、読み切るとなんともたまらない開放感に浸れました。
面白かったんだけど、それだけじゃないというかなんというか。
それにしてもZOOの仲間たち、ほんといいなぁ。マリアがだんだん依存しつつあるけど、仕方ないですよこれ。やっと出てきた専属坊主の髭も良いキャラでした。というか、途中からずっと髭としか書かれてないせいで名前が覚えられん。トワニング??でいいんだよね・・・髭のおっちゃんの出番もっと増えてもいいです。でも最近カタリの活躍が控えめなのがちょっと寂しい(マリアにいじめられるときしか存在が出てないよ・・・)
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