クジラの彼


『クジラの彼』(有川浩著/角川文庫)★★★☆☆

クジラの彼 (角川文庫)
クジラの彼 (角川文庫)

続けて一気に読んだ「海の底」と「空の中」に出てくるカップルたちのその後を読めると聞いて購入。自衛隊員の恋がテーマの短編集です。ベタ甘です。ニヤニヤが止まらないので、人目は避けておうちで一人で読むべき。
上記2作を読んでからのほうが倍楽しめるので、これ単品としては★は3つ、2作と合わせて★4つです。

☆あらすじ☆
ふたりの恋は、七つの海も超えていく。
男前な彼女たちの制服ラブコメシリーズ第一弾!!『空の中』『海の底』番外編も収録した6つの恋!
『元気ですか? 浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦(クジラ)乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる……。表題作はじめ、『空の中』『海の底』の番外編も収録した、男前でかわいい彼女たちの6つの恋。有川浩がおくる制服ラブコメシリーズ第1弾!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

読んだ順は無視し、掲載順に感想書いていきます。

 

「クジラの彼」
「空の中」で夏木の相棒を務めた冬原の彼女が主人公のお話です。本編でも最後のほうに存在だけ出てきましたね。冬原は軽いノリの優男だけど実は恐い人というイメージだったのですが、彼もちゃんと可愛く恋をしていたんですね。ストーカー上司に対峙した場面は異臭を放っていてもかっこよかったです。
時系列的には「空の中」の事件前後になります。夏木も一瞬出てきます。
この短編読んでて、海自の潜水艦乗りは、確かに恋愛は大変そうだなとしみじみ思いました。海の男って響きに惹かれて付き合ったら大変なことになりそう。メールも電話もすぐできないなんて、現代っこには厳しすぎる試練ですよ。普通の遠距離恋愛とか鼻で笑っちゃえるんじゃないか。

 

「ロールアウト」
軍用機開発のお話、と見せかけたトイレ祭り。トイレに因縁あるラブコだけど、コメディ部分が強かったかな?
女性自衛官はほんと大変だろうなぁ。トイレとかデリケートな部分をたいして気を遣ってもらえないってほんとに辛いはず。私は、カーテンで仕切っただけの空間は使えないです。
それにしても、ヒロインはもうちょい口に出す言葉をオブラートに包めないのか…いや、あの場合は仕方ないのか?

 

「国防レンアイ」
……うーん。ヒロインの三池が好きになれなかったです。だめんずウォーカーな肉食系でした。伸下もなぜ8年も片思いしてられるんだろう。出会いが少ないからでしょうか。
自衛隊という男社会で女性が働くのは本当に大変だと思います。ストレスもすごいだろうしなぁ。
個人的には三池のようにことあるごとに露骨な「女」を見せてくるヒロインよりも、「空の中」の美稀みたいな奥手の意地っぱりタイプが可愛くて好きです。
でも現実には三池のようなタイプのほうが多いんだろうな。実際の自衛隊がどうかはわからないけど、一般的に見れば三池はとてもリアリティあふれるキャラなのではないかと思います。

 

「有能な彼女」
「海の底」の夏木と望の後日譚なんですが…
ヘタレ!!!夏木さんヘタレすぎる!
「海の底」巻末書き下ろしではあんなに凛々しかったのに!
まぁ、本編でも望との恋愛パートになるとヘタレてたんですけど、それ以上でした。でも最後にちゃんと(?)結婚に踏み切ってくれたので良し、かな。
ヘタレ彼氏に対して、望のデキる女っぷりは良かったです。まさかのケンカップルになれるくらい素直な感情表現ができるようになっていたんですね。唇噛み締めて感情を押し殺していた高校生の彼女からは考えられません。
それにしても、翔くんがイマドキ大学生な感じに成長していて、夏木と同様、遠い目をしてしまいました。

 

「脱柵エレジー」
良い話だ!!まだまだ青い恋愛の失敗を自衛隊ナイズして語り、時間と距離に負けない大人の恋愛へのシフトを見せてくれました。
自衛隊のような厳しい世界にいると、大学生なんか甘えん坊にしか見えないでしょうねー。うーん。ドラマちっくな恋愛に浸りたい気持ちもちょっと分かっちゃうんで、ちゃんと相手の感情や状況を察してあげられる精神的に大人な女性になりたいものです。

 

「ファイターパイロットの君」
美稀さんが相変わらず暴力的に可愛かったです。
お話は、高巳が子どもにママとの初キスの話をしながら(なんか凄いな)、初デートを回想するというもの。高巳、モテてないとか絶対ウソだろ。このイケメンぷり、夏木さんに見習ってほしいです。両親の不満を知りつつも、本編の頃から揺らぎなくパイロットとしての美稀さんを愛し支えていく高巳は、とても素敵な旦那さまでした。その調子で姑の嫁いびりから美稀さんを守ってあげてほしいです。
ドッグタグのくだりは、ツボにはまりました。美稀さんが大真面目なのがまたいいです。可愛すぎるよー。

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