「電撃文庫」カテゴリーアーカイブ

終奏のリフレイン/物草純平

終奏のリフレイン (電撃文庫)
終奏のリフレイン (電撃文庫)

評価:★★★☆☆
2017年3月刊。
かなり凝った世界観(レトロ・フューチャーって良いね)で送られるヒトでなしの少年とモノでなしの人形のボーイ・ミーツ・ガール。
オルゴールモチーフの自動人形や天空に浮かぶ不思議な球体が存在し、それらのオーバーテクノロジーの秘密に迫っていくという展開がすごく好みな作品でした。
大戦が不完全燃焼だったことで史実から改変された世界の行く末も気になります。
主人公とヒロインの対になった関係性も素敵だったけど、物語的には序章な雰囲気。
伏線を回収してほしいので続刊に期待しています!

☆あらすじ☆
「重力子」を操る特殊なオルゴール技術と、その粋である「歌唱人形」が一般化し、ついに「電気離れ」を果たした世界。“機械しか愛せない”壊れた少年技師・タスクがある日、出会ったのは―。「わたしは、ガラテア・シスターズNo.7/リフレイン。今このときより、貴方の『花嫁』です」歌唱人形技術、その始まりとなったオーパーツそのものだと主張する、美しき歌唱人形リフレイン。彼女を巡って事態は動き出す。追う者、追われる者、そして、恋をする者―。“機械しか愛せない”少年と“人間に近づきすぎた”少女型人形。ヒトでなしの人間と、モノでなしの人形の織りなす恋が、世界を変えてゆく―!?世界の歯車が音色を奏でる、旋律のギアハート・ファンタジー登場!

以下、ネタバレありの感想です。

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オリンポスの郵便ポスト/藻野多摩夫

オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)
オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)

評価:★★★☆☆
2017年3月刊。
第23回電撃小説大賞「選考委員奨励賞」受賞作。
とてもロマンチックな火星ファンタジーでした。
神様が手紙を届けてくれるという伝説のポストを目指す、郵便配達員の少女と機械の体を持つ男。即席凸凹コンビな二人の旅は賑やかなほどにトラブルだらけ。それでも前へ前へと進んでいくのです。
二人の旅路からディストピア化した火星の過去・現在・未来を描き出す、切なくて優しい物語だったと思います。

☆あらすじ☆
火星へ人類が本格的な入植を始めてから二百年。この星でいつからか言い伝えられている、ある都市伝説があった。オリンポスの郵便ポスト。太陽系最大の火山、オリンポス山の天辺にあるというその郵便ポストに投函された手紙は、神様がどこへでも、誰にでも届けてくれるという。―そう、たとえ天国へでも。度重なる災害と内戦によって都市が寸断され、赤土に覆われたこの星で長距離郵便配達員として働く少女・エリスは、機械の身体を持つ人造人類・クロをオリンポスの郵便ポストまで届ける仕事を依頼される。火星で最も天国に近い場所と呼ばれるその地を目指し、8,635kmに及ぶ二人の長い旅路が始まる―。

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賭博師は祈らない/周藤蓮

賭博師は祈らない (電撃文庫)
賭博師は祈らない (電撃文庫)

評価:★★★★☆
2017年3月刊。
第23回電撃小説大賞「金賞」受賞作。
18世紀末のロンドンを舞台に、奴隷の少女と孤独な賭博師の出会いから始まる物語です。
明日をも知れぬ賭博師の悲哀とか、少女が沈む絶望とか、そういう重く苦々しい側面の描き方が秀逸な作品でした。
一方で、メイン二人の距離感の変化が生み出す雰囲気は、泣きたいくらいに優しくて温かいもの。
その明暗のコントラストが、物語を情緒豊かに彩っていくのです。
また、史実に基づく世界観は奥行きまでしっかり描かれていて、当時のロンドンの日常風景が目に浮かぶようでした。
そして伏線の張り方は絶妙で構成も丁寧。青年と少女の不器用で愛おしい日常が、やがて一世一代のギャンブルにつながる1本の物語として文句なしの完成度だったと思います。
いやほんと素晴らしかった。ぜひシリーズ化してほしい!

☆あらすじ☆
十八世紀末、ロンドン。賭場での失敗から、手に余る大金を得てしまった若き賭博師ラザルスが、仕方なく購入させられた商品。―それは、奴隷の少女だった。喉を焼かれ声を失い、感情を失い、どんな扱いを受けようが決して逆らうことなく、主人の性的な欲求を満たすためだけに調教された少女リーラ。そんなリーラを放り出すわけにもいかず、ラザルスは教育を施しながら彼女をメイドとして雇うことに。慣れない触れ合いに戸惑いながらも、二人は次第に想い通わせていくが…。やがて訪れるのは二人を引き裂く悲劇。そして男は奴隷の少女を護るため、一世一代のギャンブルに挑む。第23回電撃小説大賞・金賞受賞作!

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ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?13/聴猫芝居

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.13 (電撃文庫)
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.13 (電撃文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年2月刊。
ついにきましたセッテさん回。
完璧リア充なだけにギルドでは微妙に浮いていて、それがまた面白いポジションだったセッテさんだけど、今回でまた一歩廃人への道に踏み出してしまいました。それでいいのかセッテさん。
でもそんなセッテさんがますます好きになる第13巻でした。楽しかった〜!

☆あらすじ☆
レイドボスが楽々倒せる……とでも思った?残念で楽しい日常≒ネトゲライフ、第13弾!
おい、レイドボス戦行こうぜ!という誘いに乗って、レイドボス戦へと馳せ参じたアレイキャッツの面々。それなのに……。
◆†黒の魔術師†:さあ向かうとしようか
◆バッツ:なんでお前が仕切ってんだよ
早くも友情破綻の予感!そして、案の定リーダー不在で迷走するレイドPT。見かねて指揮官に就任したのは……なんとセッテさんだった!?
一方リアルでも、マスターの独断と偏見で秋山さんが会長候補になり――残念美少女・アコの加勢は吉と出るか凶と出るか?

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86 ―エイティシックス― /安里アサト

86―エイティシックス― (電撃文庫)
86―エイティシックス― (電撃文庫)

評価:★★★★★
2017年2月刊。
第23回電撃小説大賞「大賞」受賞作。
素晴らしかった・・・!
もう最高すぎて泣きながら読了しました。
先の見えない末期的な戦争、苛烈な人種差別、恐ろしく強力な敵の兵器と無様で頼りない自国の兵器。そして、死地にある少年たちに寄り添い、やがて真実を知っていく無力な少女――。
波状攻撃かってくらい絶望的な真実が次々と襲ってきて、途中で投げ出しそうになるほど辛く苦しい物語だったけれど、最後まで読んで良かったと心から思います。
帯に書いてある「ラストの一文まで文句なし」って、まさにその通りすぎて引用せざるを得ない。

☆あらすじ☆
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器“レギオン”による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう―表向きは。本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。“存在しない“第86区””。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜“有人の無人機”として戦い続けていた―。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遙か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる―!第23回電撃小説大賞“大賞”の栄冠に輝いた傑作、堂々発進!

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霊感少女は箱の中/甲田学人

霊感少女は箱の中 (電撃文庫)
霊感少女は箱の中 (電撃文庫)

評価:★★★☆☆
2017年1月刊。
個人的にはお久しぶりの甲田作品。
得意の「学園メルヘンもの」ということで、ちょっと懐かしい気分になりつつ普通に怖かったです。流石すぎ・・・・・・。
でも予想よりはグロくない?と思いながら読んでたせいで終盤に不意をつかれました。やっぱり痛いぃ・・・・・・!
内容的にはシリーズの序章という感じでこれから更に面白くなりそうな予感。怖いけれど続きが気になります。

☆あらすじ☆
心霊事故で退学処分となり銀鈴学院高校に転校してきた少女・柳瞳佳。彼女は初日から大人しめの少女四人組のおまじないに巻き込まれてしまう。人が寄りつかない校舎のトイレにて、おそるおそる始めたおまじない。人数と同じ数を数え、鏡に向かって一緒に撮った写真。だが皆の画面に写っていたのは、自分たちの僅かな隙間に見える、真っ黒な長い髪をした六人目の頭だった。そして少女のうちの一人、おまじないの元となる少女が忽然と姿を消してしまい…。少女孫踪と謎の影が写る写真。心霊案件を金で解決するという同級生・守屋真央に相談することにした瞳佳は、そこで様々な隠された謎を知ることに―。

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勇者のセガレ/和ヶ原聡司

勇者のセガレ (電撃文庫)
勇者のセガレ (電撃文庫)

評価:★★★☆☆
2017年1月刊。
父親が勇者として異世界に召喚される、という事態に直面した高校生の物語。
異世界召喚ファンタジー的に始まりつつ、家族の問題に頭を悩ませるうちに自分自身を見つめ直すという青春小説要素の強い作品だったと思います。
色々と考えつつ主人公が出した決断がなかなか面白かったけれど、物語としては序章という感じ。
続刊に期待しています。

☆あらすじ☆
所沢市の一般家庭、剣崎家では緊迫の家族会議が開催されていた。謎の金髪美少女ディアナが、異世界から剣崎家のリビングに現れたのだ。「私は救世の勇者、ヒデオ・ケンザキ召喚の使者としてやってきました」…って、ヒデオって俺の親父じゃねーか!平凡な高校生の俺こと剣崎康遊にゲームみたいな展開が降りかかると思いきや、親父が勇者で、若い頃異世界を救ったって!?どう見ても普通の中年な親父が「勇者」だとか信じられる訳がないし、ディアナは「勇者の息子」である俺に憧れの眼差しを向けてくるし…。異世界を救う前に、家族の平和が大ピンチ!俺の日常は一体どうなる!?

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俺を好きなのはお前だけかよ4/駱駝

俺を好きなのはお前だけかよ(4) (電撃文庫)
俺を好きなのはお前だけかよ(4) (電撃文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年1月刊。
タイトル詐欺に歯止めがかかってない学園ラブコメ第4巻。
今回は上下巻構成の上巻とのこと。途中で胃がキリキリする展開を挟みつつ、面白いところで次巻に続いてしまいました。5巻はまだか!

☆あらすじ☆
今度こそ、俺は完全に負けだ。え?何のことだって?決まってる。パンジーこと三色院董子の『争奪戦』に俺が敗北するってことさ。目の前には、凄いヤツが立ちふさがっている。あの最強無敵であるパンジーの天敵が現れたのだ。モブから卒業し、成長した俺だとしても、ぶっちゃけ勝ち目はゼロだろう。でも、やるしかない。パンジーを取り戻すために。パンジーの『呪い』を解いてやるために。あいつは、いつも俺の悪口を言ってきてムカつくし、今でもあいかわらず大嫌いなんだが、ときどきちょっぴり、守ってやりたくなっちまう。だからこそ宣言しよう。俺は本当の自分をさらけ出す。そして、パンジーに愛の告白をする。高校生活一番の大勝負だ。さあ、まっていやがれ強敵!

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手のひらの恋と世界の王の娘たち/岩田洋季

手のひらの恋と世界の王の娘たち (電撃文庫)
手のひらの恋と世界の王の娘たち (電撃文庫)

評価:★★★☆☆
2016年12月刊。
糖分補給にぴったりの甘々ラブコメ。
ツッコミどころは正直たくさんあるのだけど、それがどうでもよくなるくらいヒロインの可愛さに打ちのめされました。
世界の覇権をかけた戦いのなか、場違いなくらい恋愛脳が爆発している女の子。ここまで恋に一生懸命になれる子を応援せずにはいられません・・・!

☆あらすじ☆
八つの平行世界の王の娘たちが通う「八重ノ学園」。この学園に通うことになった第二世界の少年・美哉は、王の娘である羊子をサポートし、彼女を統合世界の王にする使命を持って入学した…はずが、なぜか彼女と同棲することに!?「美哉のことが、す、…好きなんだ!」突然の告白の訳を聞けば、彼女は一目惚れした美哉を自分の“持ち物”として登録したのだとか。そんな二人の恋を応援しようと、他の世界の可愛いけど迷惑千万なプリンセスたちによる“超絶恋のおせっかい”が美哉を待ち受けていて。ストーリーショートショート形式で贈るサクセス&プリンセスストーリー!手のひらに残るのは世界か恋か―!?

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ゼロから始める魔法の書8 禁書館の司書/虎走かける

ゼロから始める魔法の書VIII -禁書館の司書- (電撃文庫)
ゼロから始める魔法の書VIII -禁書館の司書- (電撃文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2016年12月刊。
前巻ラストで世界が一変し、物語が新展開に突入したわけですが、今回も安定した面白さでした。
シリアスで残酷なダークファンタジーなのに、合間に入るゼロと傭兵のイチャイチャに和んでしまうw

☆あらすじ☆
泥闇の魔女による悪魔召喚で、世界の半分が崩壊した。世界を救う決意をしたゼロ達は、教会騎士団とともに、北の地にあるという祭壇を目指す事に。しかし遠征部隊の隊長であるジェマは、“黒の死獣”に父を殺された過去を持っていた。しかもジェマの従卒は、傭兵の過去をよく知る男で―?“黒の死獣”の正体が傭兵であることを隠し、荒廃した世界を進軍するうち、教会騎士団は統率を失い始める。副隊長である老兵、レイラントに強く糾弾され、部隊との決別を余儀なくされるジェマ。兵の信頼を取り戻すため、ゼロ達はジェマとともに、悪魔が待ち受ける“禁書館”を目指すことになるが―。

以下、ネタバレありの感想です。

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