神様は少々私に手厳しい3/守野伊音


神様は少々私に手厳しい 3 (プライムノベルス)
神様は少々私に手厳しい 3 (プライムノベルス)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年7月刊。
もはやタイトルの「少々」に疑問を覚える異世界セカンドトリップファンタジー第3弾。
カズキの珍妙言語力でもカバーできないほどのシリアス展開に突入です。
カズキの周囲が良い人たちばかりだからこそ、この展開が辛すぎる・・・・・・

☆あらすじ☆
ゼフェカの企みにより、十年の蟠りが噴出したグラース国とブルドゥス国。軍士の大規模な離反が現実となってしまった中、カズキは偽黒スヤマの侍女としてお茶会に付き添っていた。ゼフェカがそばを離れたこの好機に、少しでもスヤマから情報を得ようと、イヴァルとヒューハと共におしゃべりに花を咲かせてスヤマの動揺を誘う。そんな中、会場内に一人の男が現れ、カズキに同行を願い出る。知らない男に警戒するカズキだが、男の正体を知って一気に警戒を解く。男は問う。「異世界人の目から見て、この国はどう見える」と。カズキは、その質問にこう答えた―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

戦争が終わったことにより生じた軋轢とゼフェカの暗躍により、ついに軍士と騎士の一部が造反。
追われる身となったカズキやルーナたちの逃亡劇が始まる――というシリーズ第3巻。

 

カズキの珍妙な言動とポジティブ根性がそのままオブラートになっていたけれど、この世界は本当にギリギリのところにあって、ついにそれが崩壊するときがきてしまった・・・! とハラハラしっぱなしの1冊でした。

 

今まではピンチの連続の中でもカズキの前向きさに救われてきたのに、今回はそのカズキの前向きさが逆に痛々しく感じられるのが・・・・・・もう・・・・・・もう・・・・・・(´;ω;`)
あと肉体的にも痛々しかったです。麻酔なし・・・・・・ひぃっ

 

重傷を負ったカズキを守って逃げる仲間たちが、ポロポロと欠けていくように離れていくのが本当にしんどい。
これだけの混乱が起きてしまったのはカズキも一因となっているのに、誰もそれを責めず、むしろ自分たちの事情に異世界人であるカズキを巻き込んですまなかったと言う優しさに胸が痛くなります。

 

最初からそうだったけれど、カズキが出会った人たちみんな優しすぎるよー!!
こういうパターンは「お前が災いを呼び寄せた!」的な罵倒がお約束なのに、味方は誰もカズキを責めないんですよね。
そういう発想があることを理解しつつも、それは違う!と正面から否定してくれる優しさに泣けてきます。
足手まといなのに全力で庇われるのも辛いものだ・・・・・・そこで終わらないのがカズキの魅力的なところなのだけど!

 

出会いが生んだ苦しみはあっても、出会ったことに感謝したいと思えるってどれだけ素敵な絆なんでしょうか。
神様はカズキに手厳しいけれど(もはや「少々」ではない)、良縁をたくさん結んでくれたことに関してはものすごく優しいのかもしれない。
その良縁をちゃんと自分のものにできるカズキも素敵。
彼女の深い受容性はそばにいて心地いいだろうな、と思ったりします。否定しないって言うほど簡単じゃないですよね。
オモシロ行動が心を和ませて、懐の深さが心を癒やす。カズキってそういう存在なんだろうなぁ。
これは愛されますよ・・・・・・愛さずにいられないヒロインですよ・・・・・・

 

カズキも周囲も素敵な人達だけに別離のシーンは心が引き裂かれるようだったけれど(合間にそれぞれとの楽しい会話を回想するのやめて・・・泣くから・・・)、きっとまた全員が元気に揃うはず。絶対にそう!!
王子様たちとの無礼講な宴の約束がありますからね。
あれちょっと死亡フラグくさくて嫌だなって思ってたけれど、カズキならきっと実現できるはず・・・!

 

しかし表紙で嫌な予感はしていたけれど、またルーナと離れ離れになっちゃうのかぁ。
再会はいつになるのでしょうか。
捜索期間を設けないで、とお願いしたカズキの内心にまたも涙が。
二人の別れのキスシーン、辛い場面なのだけどルーナの愛の深さにときめきが止まらなかったなぁ・・・・・・ほんとに早く再会してほしい・・・・・・

 

ルーナの代わりにアリスちゃんがカズキの騎士となったけれど、この二人の珍妙で軽快なボケとツッコミは最高ですね!
ルーナだとカズキを全肯定しちゃうから(そこが糖度高めで良いのだけど)、組み合わせ的にはこちらの方が読んでて楽しいかも。
カズキの言語矯正しようとして翻訳機としての機能を獲得したアリスちゃんに幸あれ。あまり役目がかぶるとルーナに睨まれそうですね怖いな見たいなww

 

ルーナや仲間たちの安否不明のまま、内乱の矢面に「黒曜」として立つことを決めたカズキ。
新環境で迎えてくれたのは手厳しい人たちなのかな?と思いきや、厳しさこそが優しさだとは。厳しい情勢にあっても人の優しさを感じさせてくれるところがブレなくて素敵です。
あと恋敵になると予想していた王女様の予想外に好みな美女で嬉しい誤算。
イイ女すぎて「カズキ、このひとがライバルにならなくてよかったね・・・」と心から思いました。ほんとよかったね・・・!

 

次からカズキの反撃が始まるのかな?
次巻も楽しみです!

 

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