月とライカと吸血姫2/牧野圭祐


月とライカと吸血姫 2 (ガガガ文庫)
月とライカと吸血姫 2 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2017年4月刊。
米ソ宇宙開発競争をモチーフにした宇宙飛行士たちの物語第2弾。
前巻が綺麗に終わっていたのでまさか続くとは思わなかったけれど、読んでみると前巻と対になっている1冊なのだと実感しました。
前回はサポートに回っていたレフが主人公として大活躍。今回もとても面白かったです。
そして巻末を見るに、このシリーズはまだまだ続くのか!

☆あらすじ☆
高度百キロメートルの宙から君を想う。
『ノスフェラトゥ計画』の一件を評価されたレフ・レプス中尉は、晴れて念願の宇宙飛行士候補生に復帰する運びとなった。それに合わせて吸血鬼の少女イリナ・ルミネスクを監視する任務からも解かれることになる。昼を生きるレフと夜を生きるイリナ。ふたりは同じ基地内でもすれ違ってしまう、そんな生活が続いていた。イリナの様子を気にかけつつも、レフは自身の夢を叶えるために「人類史上初」をかけた宇宙飛行士選抜試験に挑み、優秀なライバル達と鎬を削る。その一方で、不穏な空気がイリナの周りを包もうとしていた。
「実験体が帰還したようです」「……もう用済みだろう。廃棄処分を」
回り始めた運命の歯車は、果たしてどこに行き着くのか――。
世界に渦巻く巨大なうねり。一枚岩ではない共和国政府。追いつけ追い越せと躍起になっている連合王国。いまだ人類が宇宙に行くことが奇跡だと思われていた時代。様々な思惑に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を志すふたりがいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が織りなす、宙と青春のコスモノーツグラフィティ第二幕。

以下、ネタバレありの感想です。

 

イリナの宇宙飛行成功を受けて、「人類史上初」の宇宙飛行士選抜が本格始動。
イリナのサポート役を終えたレフは補欠から候補生に復帰し、厳しい訓練や仲間との軋轢を乗り越えながら宇宙を目指すことになるのです。

 

宇宙を目指すレフの物語は、裏で共和国の闇を匂わせつつも基本的には王道宇宙飛行士ものと言う感じ。
持ち前の屈託ない爽やかさでライバルたちの毒気を抜き、純粋に夢の宇宙を目指すレフの姿は心地よいものでした。
前巻では打ち解けそうにもなかったローザやミハイルとの関係も変わっていくとは。
ライバル関係を経て相手の成功を祈れる仲間となるってストーリーに青春を感じずにはいられません。

 

レフの躍進が描かれる一方で気になるのはイリナの処遇。
用済みの実験体として「廃棄処分」される可能性は前巻から示されていたけれど、共和国の闇の深さを思えばそうなる可能性が高いだろうなぁと深く考えないようにしていたんですよね。
続きが出ればイリナの運命が決まってしまうから、それなら単巻でいいやと思ったくらい。

そんなイリナは序盤から悲壮感ありありで、レフについた「優しい嘘」に胸が苦しくなりました。
レフのために嘘をついたイリナと、疑惑を抱きながらもイリナの嘘を受け入れたレフのデートシーンの切なさといったら・・・・・・。

イリナはこれからどうなるのかな?と思っているうちに、なにやらゲルギエフとリュドミラのコンビが暗躍し始めたので「あっ、これ大丈夫なパターン!」と途中からは安心して静観してしまっていましたがw
期待を裏切られなくてよかった。本当によかった。

 

それはさておき、見事に「人類初の宇宙飛行士」となれたレフの葛藤と、そんなレフへ寄せるイリナの複雑な想いが交錯することで語られる人間ドラマは素晴らしかったと思います。
あらすじの「高度百キロメートルの宙から君を想う。」は本当にロマンチックで、同時にとても切ない。
共和国の嘘とイリナの存在を知っているからこそ、自分を偽ることに戸惑いと苦しみをみせてきたレフ。
自身の宇宙飛行を通して英雄の仮面を被るようになってしまったレフが、ようやく元のレフに戻ってくれたラストの演説シーンにいはカタルシスを感じました。やっぱり主人公はこうでないと!

 

前巻と合わせて綺麗に物語が対になっているし、前巻で積み残したレフの夢とイリナの処遇の問題も解消。
今度こそ終わりかな?と思ったところで、まさかの第二楽章・・・!
次は共和国のライバルである連合王国が舞台になるのでしょうか。
連合王国の人間の少年と吸血鬼の少女が二人で月を目指す話になるとか?

どういう形で続くのかは不明ですが(レフたちは登場するのだろうか)、続きも楽しみに待ちたい思います。

 

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「月とライカと吸血姫2/牧野圭祐」への6件のフィードバック

  1. お久しぶりです。最近、本を買うのが辛くなりました(笑)
    なぜなら場所を取るし、濡れたりしたら萎えますので(汗)
    電子書籍を考えてますが、みかこさんはどんな電子書籍?を使ってますか?また電子書籍は電子書籍専用?の端末が必要でしょうか教えて頂けば幸いです。

    1. 茶一こりんさん、コメントありがとうございます。お久しぶりです〜

      物理スペースの問題は悩ましいですよね。

      私は電子書籍はBOOK☆WALKERを利用しています。
      ラノベ系がメインならここだけで十分です。
      KADOKAWA系列のラノベは紙本と電子版が同時配信されますので。B☆W以外のストアでは電子版の配信が1月遅れなのです。

      ただし、B☆Wでは小学館の漫画が配信されていないので(ラノベはあります)、そこは要注意ですが・・・。

      電子書籍端末についてですが、全ての電子書籍ストアはiOSやAndroid向けのアプリを使って読めるので、まずはアプリを使って色々試してみることをおすすめします。
      アプリは各電子書籍ストアにリンクがあると思います。電子書籍は無料本なども多いので、それらDLするのがお試しに良いと思います。

      電子書籍はもちろんスマホでも読めますが、5インチ前後の大型のものでないと少し辛いかもしれません。

      個人的には7〜8インチのタブレットが電子書籍用として快適です。
      10インチ以上のタブレットは腕が痛くなるのでw

      ちなみに私はメインでiPad mini4、出先ではiPhone6 Plus を使っています。
      以前はNexus7も使っていて、こちらもオススメです。
      iPadは高いですが操作性は良いです。でもAndroidなら安価な端末が色々とありますよ〜。

      ちなみに、Kindleなど専用電子書籍リーダーは、それぞれ購入できるストアが固定されているのでご注意を。
      KindleはAmazonで購入した電子書籍しか読めませんし、楽天koboもそうです。

      他に何かご質問があれば、どうぞご遠慮なく(*^^*)

      1. 変な話ですが、出先ではiPhone6 Plus を使っています。とおっしゃってましたが、外出先で呼んでもその本のデータ?は買ってるので通信料はかかりませんよね?

        1. 購入した電子書籍を端末に予めダウンロードしておけば、出先でもほとんど通信料はかかりませんよ(^o^)

          ただ、どこまで読んだかやマーカー(任意の文章にチェックを入れられる機能)などの読書記録がサーバーに送られて管理されるので、電子書籍を開いたり閉じたりする際に少し通信しますね。微々たるものですが。

          また、電子書籍を端末にダウンロードする際にはかなりの通信量を必要とします。
          ご自宅や公共のWi-Fiを利用しないと、すぐに通信制限に引っかかりかねないのでご注意くださいw

          1. 分かりました!詳しすぎて満足です❗本当にありがとうございました!

          2. いえいえ〜。
            また何か気になる点があれば、お気軽にどうぞー(^^)

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