ブライディ家の押しかけ花婿/白川紺子


ブライディ家の押しかけ花婿 (コバルト文庫)
ブライディ家の押しかけ花婿 (コバルト文庫)

評価:★★★★☆
2017年5月刊。
ワンコ系王子様が押しかけ花婿としてやってきた!というところから始まるラブファンタジー。
すごく可愛い世界観や設定なのに、切ない悲しみを兼ね備えることで物語がきゅっと引き締まっているのがとても良かったです。
挫折を抱えるヒロインって好きだなぁ。なかなか素直にならない彼女をグイグイ押していくヒーローは命令されたがり系純情ドMだと思います。
「若奥様、ときどき魔法使い。」と同じ世界観なのだけど、息をするように魔法を使うおとぎ話のような世界観が相変わらず素敵すぎます・・・!

☆あらすじ☆
マリー・ブライディは伯爵令嬢でありながら、社交界にも出ず、魔法石の研究に没頭している17歳。ある日、酔っぱらった父が「おまえの花婿を拾ってきてやったぞ」と、ひとりの青年をつれてくる。デューイというその青年は、なんとこの国の王子だった。デューイはマリーに求婚するが、独身主義のマリーは結婚する気などまったくない。だが、デューイは花婿として家に居座ってしまい…?

以下、ネタバレありの感想です。

 

魔法石の研究に明け暮れる伯爵令嬢マリーの元に、泥酔した父親が連れてきたのは押しかけ花婿・デューイ
実は王子であるデューイはなぜかマリーとの結婚に乗り気で、拒絶する彼女を尻目にどんどん外堀を埋めていき――という感じで物語はスタート。

 

マリーが覚えていなかったデューイとの本当の馴れ初めについては、少女小説の王道中の王道って感じですね。
こういうの好きだろ? って聞かれたら「大好きです!」と全力で頷くしかないアレです。

 

それはさておき、デューイの登場によりにわかに騒がしくなった日常の中で、魔法石研究家としてのマリーは魔法石に関わる様々なトラブルに遭遇していくことに。
なぜか忠犬化したデューイもマリーの後ろにくっついて行き、ふたりで様々な謎を解き明かしていくのです。

 

第一話『君よ、光の雨に眠れ』は、魔法石連続窃盗事件と幻の魔法石を研究する少女のエピソード。
これが3本立ての物語の中で一番哀しい物語でした。
マリーとデューイが一緒に行動する最初の事件ということで、色々な設定や事情を織り交ぜながら語られるため物語の本筋がなかなか見えにくかったのが難点だったかな。
それでもラストで明かされた真相の残酷さには胸が苦しくなりました。
閉ざされた世界で悲運に散った少女と愛犬の関係が切なすぎる・・・・・・。

 

第二話『星と花の小夜曲』は、容姿に同じ特徴を持つ令嬢の連続失踪事件の調査に乗り出すエピソード。
第一話もそうだったけれど、魔法使いがたくさんいる可愛い世界観なのに貴族世界のエグみがなかなか深いですよね、この作品。エレナ嬢が男嫌いになる理由が可哀想すぎる。
令嬢失踪事件の真相もなかなかにホラーでしたし。魔法は可愛いだけのものじゃなかった・・・・・・。
このエピソードはラストのエレナ嬢とフィオンの会話が好きです。「私なら、あなたの席を作ります」って素敵ですね。

 

第三話『春の帳が開いたら』は、前話でマリーに委ねられた魔法石「春の帳」のエピソード。
挫折を抱え、痛みに目を背けてきたマリーが、自分の心の弱さを受け入れる姿がすごく素敵でした。
それはそうと、クロル、なんという可愛いショタに・・・!
あと、ルルスさんは何やかんやで敵になると思っていたのに(二話の黒幕だと勝手に想像してた)、普通に魔法石フリークの変なマダムでした。疑ってごめんよ。マリーの同類さんでしたか。

 

様々な魔法石絡みの事件を通して、徐々に距離を縮めていくマリーとデューイ。
過去のトラウマのせいで固く閉じられたマリーの心を、デューイがぐいぐいと押し開いていくのが楽しかったですw
男が嫌いなら男の姿じゃなきゃOKですね!とモフモフに変身するとかアグレッシブすぎて笑う。
その作戦がマリーに有効すぎるのがさらに笑う。
モフモフは正義ですもんね・・・!

 

マリーはマリーで「ときめくとまぶたから蝶が羽ばたく」とか、ちょっと可愛すぎません??
ツン強めのツンデレなのに、心を悟られまいと一生懸命まばたきをこらえる姿とか最高にキュンキュンするんですが???

 

グイグイ押すのになぜか命令されたがるデューイと、押されるままにしぶしぶ命令しちゃうマリーの関係もすごく好きでした。
ラストシーンがその集大成って感じで最高。
「わたしに求婚して」って言う方が恥ずかしいような気がしますけどね!w

あと、自分は全力で押しまくるけど相手から返ってくると動揺する純情青年って可愛すぎて死ぬ・・・・・・人前であれだけひざまずいたり何なりしてるくせに羞恥心が働くポイントがおかしい・・・!

 

キャラもストーリーも魅力的な、とても楽しいラブファンタジーでした。
この世界観でまた新作出してほしいなぁ。
マリーとデューイの話が続いてくれても良いのですよ?

 

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