ニアデッドNo.7/九岡望


ニアデッドNo.7 (電撃文庫)
ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

評価:★★★☆☆
2017年4月刊。
「エスケヱプ・スピヰド」のコンビが送るホラーアクション現代ファンタジー。
ホラーがあまり得意じゃないので冒頭ビクビクしながら読んでいたのだけど、思ったほどは怖くなかったし話が進むに連れて「エスケの九岡さんだ!」と感じるアクション面での盛り上がりをみせてくれる作品でした。
悲恋要素が予想外に切なかったのが個人的には寂しい感じ・・・・・・。
ただ、記憶を失い人外の存在となった主人公の物語としてはうまくまとまっているし、個性強そうな仲間たちが気になるのでシリーズが続けばもっと面白くなりそうな予感。
期待しています。

☆あらすじ☆
目覚めた少年は、何者でもなかった。“再葬開始”の合図と共に、いつの間にか持っていた火の粉を纏う刃を振るい、異形の敵を倒すのみ。“境死者No.7”―赤鉄。それが、彼に新たに与えられた名だった。なぜ自分は戦うのか―。No.6である美しき少女・紫遠と共に、訳のわからぬまま死闘に身を投じる赤鉄は、やがてある事実にたどり着く。No.7の称号を持つ“先代”がいたこと、そして自分がその人物に殺され、No.7を“継承”したことを…。第18回電撃小説大賞“大賞”受賞作『エスケヱプ・スピヰド』のコンビで贈る、現代ダークファンタジー開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

気づけば境死者(ニアデッド)のNo.7として、人を襲う化物外死者(アンデッド)を狩っていて少年・赤鉄
自分がどうして境死者になったの、いつどうやって死んだのかも分からないまま、赤鉄は仲間の紫苑と行動を共にする。
一方、境死者と外死者の戦いに巻き込まれた女子高生・夕里子は赤鉄の正体に絡む「空巣岩の首なし事件」の真相へと首を突っ込んでいく――という感じに物語はスタート。

 

赤鉄サイドの物語はちょっとグロめなバトルアクションで、夕里子サイドの物語はホラー要素を醸したミステリーという雰囲気。
この二重構造のような物語が頻繁に交錯しつつ、「首なし事件」の謎に隠された秘密に迫っていくのです。

 

物語が進むにつれて不穏に目立ち始めるのは、赤鉄がなぜ「ニアデッド」となったのかという謎。そこから徐々に復讐譚としての色合いが強くなっていく本作。
その先で明かされる、赤鉄だった少年と№.7だった少女・緋霧の淡い恋の物語の切なさは予想外でした。ちょっとだけエスケの柊を思い出したり。

二人の出会いとその結末までのストーリーはとても切ない悲恋譚で、その傷を乗り越えて赤鉄が前へと踏み出していくというラストはなかなかのカタルシスを感じました。

・・・・・・ただまぁ、ものすごーく個人的な好みとして、悲恋が苦手というか、赤鉄にとってそれだけ愛していた少女がすでに退場済みというのが哀しいというか・・・・・・。
特に私はエスケの九曜と叶葉が大好きで、ちょっとだけああいう感じを期待していたので・・・・・・ぐぬぬ。

 

とはいえ、ラブコメを楽しむような作品ではないし、生きてる(?)ヒロインとして紫苑と夕里子が登場するから良いんですけどね。
特に紫苑は赤鉄と今後もコンビを組んでくれそうだし、クールに見えて情に厚い猫好きというギャップが可愛かったので、今後赤鉄とどんな関係を作っていくのか楽しみです。
緋霧の喪失という共通の傷を抱えた者同士、良いコンビになってくれるといいな。

 

バトルアクションについては、安定の九岡節。
スピード感のあるバトルは読んでいてとても楽しかったです。
しかし「加速」とかナンバリングされた人外仲間とか、そこかしこにエスケ要素がちらつくあたり、これってきっと九岡さんの萌ポイントなんだろうなぁ。私も好きなので良いと思います。サ●ボーグ戦士!

 

その仲間たちについては、しっかり登場したのが7人中4人のみで、残り3人はラストにさくっと顔を出した程度。
次巻があればもうちょっと掘り下げてくれるのかな?
楽しみにしておきたいと思います。

 

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