懸想する殿下の溜息/森崎緩


懸想する殿下の溜息 (レガロシリーズ)
懸想する殿下の溜息 (レガロシリーズ)

評価:★★★☆☆
2010年8月刊。
王子と従者の身分差恋愛もの。
さりげなく(?)アピールするのに想いが伝わらなくてヤキモキする殿下と、主の懸想を叶えるために奮闘する生真面目な従者のすれ違いが切なくも微笑ましいラブロマンスです。
穏やかにしっとりと描かれていく身分差の恋。その問題を抱える彼らの結末がどうなるのか、最後までハラハラとさせられる物語でした。

☆あらすじ☆
意を決して告白をした王子・カレル。その恋の相手が自分だと気づかない従者・マリエ。生真面目なマリエは、殿下の想いが叶うよう奮闘するのだが―すれ違いから始まる、不器用な恋の行方は。

以下、ネタバレありの感想です。

 

幼い頃から仕えてきた王子・カレルが誰かに懸想していることを告げられた従者のマリエ
身分差のある相手との恋は叶わないものだけれど、大事な王子の恋を助けたいとマリエは必死に書物から恋愛について学ぼうと奮闘。
一方で、カレルは自分の想い人がマリエだということを気づいてくれない彼女に溜息をついてばかりで―― という物語。

 

明後日な方向に努力する健気なマリエと、そんな彼女の反応にガッカリしつつもマリエの研究成果を実践していくカレル。
仲良し主従なのに肝心なところで噛み合わない二人のすれ違いはのんびりとコミカルで、その初々しさがとても魅力的に感じました。

 

そんなわけで、テンションはそんなに高くないけどラブコメかな? 身分差も意外に軽くクリアしちゃう感じ? とか、序盤では考えていたんですけどねー。

 

そんなノリの話じゃなかった・・・・・・。

 

話が進むにつれてカレルは実らない懸想を終わらせようとしているのだとわかるし、ようやく自覚に辿り着いたマリエも自分の想いが叶うとは頭から考えていない状態。
実際に外野から引き裂かれる状況が起こっているわけじゃないのに、本人たちが最初から諦めムードなのがやたら切ないんですよね。マリエの恋心なんて開幕お通夜状態だし。

 

だからでしょうか。そんな2人に発破かけるルドミラ嬢にすごく好感がもてました。
自ら恋を諦めているふたりだけに、誰かが親身に応援してくれているということが救いに感じられるんです。ルドミラ嬢、ほんとに良い子だった・・・・・・!

 

ラストに至るまで二人の恋がどうなるのか予想がつかなくてハラハラしたけれど、これは一応ハッピーエンドってことでいいのかな?
作中のお芝居の結末と、カレルたちの物語の結末を揃えてくるのは上手い構成ですね。
身分の壁を乗り越えるのは難しいってことを散々言ってきただけに、安直な結末を用意するわけにはいなかっただろうし・・・・・・。

 

ああでも二人のその後が気になるなぁ。幸せな未来を迎えてくれていることを祈っています。

あとこれ、WEB版とは結末が異なるそうですね。そちらも読んでみたいと思います。

 

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