ストライクフォール2/長谷敏司


ストライクフォール 2 (ガガガ文庫)
ストライクフォール 2 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★☆☆
2017年3月刊。
ロボットSF×青春スポーツ第2弾。
1巻と2巻でひとつのオープニングということで、世界観についての色々補足が入った巻でした。

☆あらすじ☆
競うことは、争うことなのか。
史上、類を見ない“ルール違反”。雄星は処分決定を待つ間、二軍練習場へと送られる。前代未聞のスキャンダルを起こした異邦人に、選手たちはただただ冷たかった。無数の敵意にさらされる雄星に、二軍監督、ユウキ・プラバッキーは告げる。
「ここの連中がお前に冷たいのは、弟のことだけでも、ペナルティのことだけでもねえよ。みんな、パワーの時代が怖いのさ。おまえはストライクフォールの次の時代そのものだからな」
あの日、雄星のもたらした慣性制御技術は、ストライクフォールをまったく別の競技に変えてしまったのだ。
「おまえに残された道は、二つだ。時代を殺した男として恨まれながら勝者になるか、それとも、誰かがそうした勝者として栄光を掴むのを、指をくわえて見ているかだ」
同じく懲罰で試合機会を奪われたアデーレ。ストライクシェルの整備を学びはじめた環。みな、大切なものを失った傷を抱えながら、新たな戦いを始めている。なら――俺は。めまぐるしく変化する世界、「戦争」と「競技」の狭間で。雄星は、ストライクフォールともう一度向き合う。兄弟の憧れを、答えをこの手に“掴む”ために。
SF界の俊英が放つ疾走スペースグラフィティ、待望の第2弾!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

前代未聞の反則を犯したことで、罪の裁きを受けることになった雄星。
死んだ弟の名を刻みたいという彼の想いを知る以上、あんまり酷いことにはならないでほしいと思っていたのですが、序盤の非難轟々っぷりに胸が痛かったです。

 

その一方で雄星が生み出した慣性制御技術を取り巻く様々な思惑が蠢いていたりして、前巻で感じていた「ストライクフォール」という競技のきな臭さを一層強く感じたりもした第2巻。
どうでもいいんですけど、護さん、意外に年がいっていてびっくりしました・・・・・・。

 

議論が紛糾しつつも、なんとかシルバーハンズの2軍入りを果たした雄星。
しかしダーティーなイメージを背負いながらも特別扱いを受ける雄星に2軍のメンバーは冷ややか。
チーム競技なのに仲間との交流が断絶してるとか、マイナススタートもいいところですよね。
でもなんかそれがスポ根ものの始まりって感じもして、ここから雄星がどんな風に巻き返していくのかとワクワクして読みました。

 

そんな逆境の雄星の味方になってくれるのはアデーレや、新キャラ・レイカ、そして雄星のために整備士の道に進み始めた環。
修羅場るラブコメは楽しかったし、レイカも可愛いキャラしてるなぁ〜とかニヨニヨしちゃいました。うん。可愛かったのになぁ・・・・・・。

 

ラブコメはさておき、味方の協力と自分自身のギフトに物を言わせ、徐々にチームの中に居場所を作っていく雄星の奮闘はとても良かった。

この世界はシンプルだ。勝てば世界に味方が増える。

という一文がとても印象的です。
終盤のきな臭いゴタゴタに対してスポーツの論理を叩きつけてねじ伏せるところも含めて、スポーツのシンプルな美しさや潔さを感じます。そういうところ、かなり好き。

 

とはいえ、やっぱり「ストライクフォール」って色んな意味で「戦争」に近い競技なんですね。
今後は、どれだけ近くても戦争と全く異なるスポーツだということを強調して描いていくのかな。
スポーツと戦争の境界をはっきりさせ、爽やかなスポ根でドロドロとした戦争の濁りを吹き飛ばすような話になるのならかなり面白くなりそうです。

 

今回は雄星はスポーツとしてのストライクフォールの論理を貫いたけれど、きっと今後も技術革新による利権争いや戦争に関わる人々の思惑に巻き込まれていきそうな予感。
その複雑な状況のなかで、スポーツ選手としての雄星がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。

 

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