腹へり姫の受難 王子様、食べていいですか?/ひずき優


腹へり姫の受難 王子様、食べていいですか? (コバルト文庫)
腹へり姫の受難 王子様、食べていいですか? (コバルト文庫)

評価:★★★☆☆
2017年4月刊。
コバルトがたまに出す感じの、振り切れたテンションのラブコメファンタジー。我鳥彩子作品に近い雰囲気ですね。ローティーン向けっぽい可愛さが詰まった物語でした。
どれくらい振り切れているかというと、呪われたお姫様が飢えまくってお腹の虫を豪快に鳴かせ、イケメン騎士がせっせと食糧集めに奔走し給餌、じゃなくて給仕するという設定の段階でお察しです。
呪いをかけた魔女と対峙したり、顔だけが取り柄のバカ王子に振り回されたりと、すごく騒がしい話なのだけどなんか楽しかったw
テンションが幼い方向に高いので途中読むのが疲れることもあったけれど、悪くはない作品だったと思います。

☆あらすじ☆
サルシッチャ王国のティシエナ姫は、生まれたときに受けた呪いのせいで、食べても食べてもお腹がいっぱいにならない。ティシエナ姫も懸命に我慢するけれど、食材調達のために国庫は逼迫。亡国の王子で、今は近衛隊長のアルフィアスが、大量の食料を安く調達したり、食材を節約しつつ食べでのあるレシピを研究したりと日々奔走中。そんなある日、二人の前に呪いの主である魔女が現れて…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

親世代の痴話喧嘩に巻き込まれる形で、生まれた時に魔女から「食べても食べても満たされることなく飢え続ける呪い」をかけられた王女ティシエナ

無尽蔵の食欲で国の経済を困窮させつつも朗らかな人柄で「腹へり姫」の愛称で呼ばれるティシエナは、今日も今日とて食事係の近衛隊長アルフィアスと一緒に大食い大会に出かけていた――

 

・・・・・・っていう出だしがまずおかしい。

 

なぜに王女が大食い大会に出ているのか。
むしろ圧勝してしまうから出禁になってる大会も多いってどれだけなんですかw

 

そんな腹へり大食い王女のティシエナの前に、彼女に呪いをかけた魔女・イングリッドと、ティシエナが金づるとして婚約をもちかけた大国の王子・コルフィッツが現れたことから物語は動き始めることに。

 

魔女の無茶振りやコルフィッツ王子のバカっぷりに振り回されながら、次第に変わっていくのはティシエナとアルフィアスの関係。
亡国の元王子というアルフィアスの面倒な事情や、お腹をぐーぐー鳴らしつつも王女としての矜持を捨てないティシエナの魅力が語られる一方で、アルフィアスの隠してきた恋心に明らかになり、それに触発されてティシエナの彼への想いも変化していくのです。

 

このアルフィアスの恋心が、なんとも不器用に可愛いものでした。
クールな世話焼き体質ヒーローってなんか良いな〜って思ってたら、中盤以降に魔女からかけられた魔法によってなんとも面白い人に変わってしまってw
心の中の擬音が本当の音として周囲に聞かれるっていう設定のぶっ飛び具合、実に良いと思います。
特にお気に入りは「わくわく!」。
深刻そうなシーンでわくわくしてらっしゃる!心は正直なものですね。

 

さて、魔女との戦いや意外な敵の登場などで揉めに揉めたあげく、最終的にはなんだかいい感じにまとまった本作。
腹へりの呪い以外はうまくトラブルを解消したもんだなぁと感心しました。まぁ設定もストーリーもぶっ飛んでるので、どんな結末でも可能だったのだろうけれどw

 

とはいえ、アルフィアスの国の話や腹へりの呪いがあるから、続けようと思えば続けられるかな?

 

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