魔女と魔城のサバトマリナ/雨木シュウスケ


魔女と魔城のサバトマリナ (講談社ラノベ文庫)
魔女と魔城のサバトマリナ (講談社ラノベ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2017年4月刊。
好きな人に告白したことで文字通り「世界が変わった」少年が、魔女たちが争うサバトマリナに巻き込まれてしまう物語。
不思議な悪夢めいた雰囲気が独特の読み心地を作り出している作品でした。
設定や内容は悪くないのだけど、個人的にはもう少し色んな方面に熱量を感じたかったかな、という感じ。
でも、好きな人のために頑張る主人公には好感が持てました。

☆あらすじ☆
遼平がある日、友人の姉・綾音に告白したとき、世界は変わった――。遼平の胸を貫く、綾音の手から伸びた刃。加えて次に彼が目にしたのは、制服姿の綾音と、眼前に立つ巨大な化け物だった。実は、綾音は魔女であり、遼平は彼女を守るシュヴァリエとして、近代魔女同士の決闘――サバトマリナを戦い抜くことになったのだ。だが、まるで覚めない夢のようなこの世界に遼平を閉じこめているのは、綾音以外に考えられず……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

幼い頃から恋していた眩星綾音に勢いで告白してしまった主人公・遼平
しかし直後に綾音から心臓を貫かれ、気づけば魔女たちの決闘「サバトマリナ」に綾音と共に立っていた。
実は魔女である綾音が遼平をパートナーの「シュヴァリエ」に選んだことから、遼平はサバトマリナで他の魔女とシュヴァリエのコンビと戦わなくてはならなくなり――というのが本作のストーリーです。

 

魔女とシュヴァリエのコンビが決闘していく話なのだけど、その舞台となるのは現実のようで現実ではない亜空間
遼平は自分がどんな世界にいるのかもわからないまま、現実とはズレのある悪夢めいた世界に閉じ込められてしまうのです。
この「夢なのか夢じゃないのか」というのが途中までハッキリしないため、前半の読み心地はかなり落ち着かないものでした。
足場が不安定だから全てがふわふわと感じられて、なんとも奇妙な読み味。

 

そんな奇妙な世界に閉じ込められ困惑しつつも、「綾音を守りたい」という初志を貫徹した遼平はとても一途な主人公だったと思います。
うん、こういう主人公は好きですね。頑張る理由がはっきりしていて好印象。もうちょっと恋心を情感たっぷりに掘り下げてくれたらなお好みだったかな。

 

一方、遼平が必死に追いかけるヒロイン・綾音については「魔女」という言葉がしっくりくるミステリアス美女。
あまりにもミステリアスすぎて彼女の心がどこにあるのかよくわからなかったのだけど、終盤で「わたしは生きていたくなった」と打ち明けたあたりから一気に好きになりました。不意打ちのデレにきゅんとした。

 

遼平は綾音のため、綾音は生きるために、二人で力を合わせて挑む「サバトマリナ」。
魔城という結界の中で行われる魔女たちの決闘、という設定は面白かったと思います。ただ、全体的に夢の中にいるような雰囲気だからか、期待よりも熱量に欠けた感じが否めませんでした。
最後のアリス戦も含めてもう少し盛り上げようがあったんじゃないかなぁ・・・・・・。

 

一応綺麗に終わってるけれど、続刊はあるのかな?
もし続かなくても童話になぞらえたロマンチックなラストシーンが素敵だったので満足です。ラストのバカップルぽさもニヨニヨできたしねw

 

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