愛原そよぎのなやみごと 時を止める能力者にどうやったら勝てると思う?/雪瀬ひうろ


愛原そよぎのなやみごと 時を止める能力者にどうやったら勝てると思う? (ファミ通文庫)
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評価:★★★☆☆
2017年3月刊。
自称魔法少女の放課後アドバイザーとなった男子高校生の不思議な日常(?)を描いた物語。
ヒロインがかなり不思議ちゃんなアホの子で、そんな彼女に愛のあるツッコミを入れまくる主人公との掛け合いが楽しい作品でした。
あばたもえくぼレベルのデレっぷりだね、主人公!
テンプレをメタに外していく構成と、色々と伏線をおいた上でのどんでん返しも面白かったし、ストーリーも綺麗に着地。
あとがき的に2巻を予定しているの??
もし続くなら読みたいと思います。

☆あらすじ☆
「放課後、また相談してもいいかな?」
「時を止める能力者にどうやったら勝てると思う?」
僕が好意を寄せるクラスメイト、愛原そよぎの“なやみごと”は僕の想像を遥かに超える独特なものだった。本気とも冗談ともつかないその相談に真剣にアドバイスを送り、彼女のなやみはどうやら解決されたようだった。僕たちの関係も進展したかに思えたのだけど、この相談がきっかけで僕は彼女のとんでもない“秘密”に近づいてしまったようで!?
僕と彼女の非日常系おなやみ相談日常ラブコメ開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

片思いの少女・愛原そよぎに「何か、なやみごとでもあるのか?」と声をかけたことから、彼女の悩み相談を受けることになった高校生・渡辺幸助
そこから、「実は正体を隠した魔法少女」「という妄想」「という設定」で、そよみが戦う様々な異能者の攻略方法を考えることになり――という感じに物語はスタートします。

 

魔法少女モノだけど、実際に魔法少女として変身したり戦ったりするわけじゃなく、魔法少女の表の日常(の中で更に限定される放課後タイム)を描いていく少し風変わりな舞台設定。
そんな放課後のなやみごと相談は、「時間停止能力者とどう戦うのか」「何もかも凍らせる能力者とどう戦うのか」「読心能力者とどう戦うのか」といった各種異能戦をテーマとしていて、思いを寄せるそよぎのために幸助は一生懸命に勝つ方法を考えるのです。
でもまぁ聞いてるそよぎが天然のアホの子なので、白熱した議論というよりはテンポの良い掛け合い漫才のような趣なんですけどね。そこがすごく楽しかったw

 

ただ異能バトルの攻略方法自体はちょいちょい既視感があるような気もしたかなー?
まぁこのジャンルはやり尽くされているからなぁ。
そういう意味でも、一歩引いた安全圏でアレコレ考える形にしていたのは上手い構成だったのかもしれません。

 

こうして幸助とそよぎの交流が始まり、そこにやがてそよぎの親友2人が加わり、さらにそよぎの弟が加わり・・・・・・と言った感じに物語は徐々に賑やかに。
幸助とそよぎの2人きりのゆるい雰囲気が好きだったからそれが減ったのは残念だったけれど、他キャラとの交流もテンポ良いノリツッコミが繰り広げられていて面白かったです。
でもバイでヤンデレなシスコン弟はやばかった・・・・・・幸助逃げてー!

 

さて、そんなゆるい日常の中で少しずつ気になってくるのは、シリアスの予感をさせる思わせぶりな伏線。
親友たちが隠す「そよぎの秘密」がどんなものか気になっていたし、それが暴かれたときに何が起こるのかドキドキしていたけれど、うーん、これはまた予想の斜め上。そこにどんでん返しを持ってくるのか・・・!

 

思えば幸助が普通に「魔法少女」の相談に乗れていたことが異常だったということですよね。
ラノベの読みすぎで「高校生は異能に詳しい」って思い込んでたよ。そんなわけがなかった。私の常識がおかしくなってる。
いや、まぁ、いくらなんでも観察眼尖すぎない?と思ったところはあったけれど(弟の体術を解説してるくだりとか)

 

地の文のなかに落とし込んだ小さな伏線を、とても効果的に回収してしまうのが印象的な作品でした。
そよぎと幸助の甘酸っぱい青春も堪能できたし満足。

 

強いて言うなら、シリアスパートであまり気分が乗らなかったことが惜しかったかなぁ。シリアスをシリアスとして盛り上げるのって難しいのかもしれない。
まぁこのへんの感じ方は個人差があるのでしょうけれど。

 

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