幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。/二宮酒匂


幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 (カドカワBOOKS)
幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 (カドカワBOOKS)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2016年8月刊。
タイトルの「自動販売機」のインパクトがすごいけれど、正しくそのままな内容の恋愛小説でした。
まさか自動販売機に可愛さを感じる日がくるとは・・・!
無邪気で人外な彼女に振り回される主人公の恋の懊悩が楽しい作品だったと思います。

☆あらすじ☆
――僕は、自販機の彼女に、恋をした。
田舎町のおんぼろな自動販売機、そのそばには着物姿の女がいる。軽やかに歌う彼女は、人ならぬもの。そんな「自販機」にうっかり恋をしてしまった“ぼく”の片思いを描いた、笑って泣ける青春恋愛劇。

以下、ネタバレありの感想です。

 

神社の跡取り息子である主人公と、彼にしか見えない「自動販売機の精」。
おんぼろ自販機の付喪神である彼女に見守られながら、小さな子どもが大きくなり、やがて一人の大人の男性として成長していく主人公。その時間の流れのなかで、彼は自動販売機への恋を自覚することになるのです。
そんな、人ではない存在に抱いた彼の恋の行方を描いていく物語でした。

 

人外と人間の恋。
しかも神と人の異種恋愛譚という定番中の定番ネタなわけだけど、神が「自動販売機」っていうのは斬新ですね。なぜその発想に至ったのだろうw

 

しかしこの「自動販売機」という設定が、意外にも物語の中でうまく活用されている。
主人公と自販機の精との交流の舞台であり、トラブル発生の現場であり、ひいては「おんぼろ」であることから生じる別離を予感させたり――。
タイトルだけだと出オチのようにも思えたのに、なかなかどうして真面目に恋物語の中心として描かれているのです。
主人公がホット/クール機能が壊れた自販機を手作業でどうにかしようとしているシーンとか、見方によったらシュールな光景なのに、読んでいる間は迫り来る別れのときを感じさせて不安を煽るんですよね・・・・・・。この感覚は不思議だった。

 

そんな自動販売機の精への恋については綺麗なハッピーエンド。
元気が良くて明るいヒロインではあったけれど、設定が設定だけに別離エンドも覚悟していたので本当に良かったです。
最後の主人公の怒濤のプロポーズはニヨニヨした〜〜。見守り役の元同級生がさりげなく良キャラだったのもGOOD。

 

幸せな読後感に満足しました。二宮さんの次回作も期待しています。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。