京の縁結び 縁見屋の娘/三好昌子


【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』優秀賞受賞作】 縁見屋の娘 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』優秀賞受賞作】 縁見屋の娘 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

評価:★★★☆☆
2017年3月刊。
第15回『このミステリーがすごい!』大賞「優秀賞」受賞作。
ミステリーというより、人外要素ありの時代伝奇ファンタジーという感じでしょうか。
代々早死にする女系の家に生まれ、祟りつきとの噂がある縁見屋の娘。そんな主人公が、ある行者との出会いから自分に関わる悪縁を知っていく物語です。
彼女の家に隠された秘密に迫っていくストーリーはぐいぐいと読ませるものでした。不思議要素が予想より多かったけれど、緩急の付け方が程よくて面白かったです。
でもそんなことより個人的には当て馬キャラの扱いが気になって仕方ない。
どうしてもモヤモヤがおさまらないので長文で語りたいと思います。

☆あらすじ☆
「縁見屋の娘は祟りつき。男児を産まず二十六歳で死ぬ」―江戸時代、京で口入業を営む「縁見屋」の一人娘のお輪は、母、祖母、曾祖母がみな二十六歳で亡くなったという「悪縁」を知り、自らの行く末を案じる。謎めく修行者・帰燕は、秘術を用いて悪縁を祓えるというが…。縁見屋の歴史と四代にわたる呪縛、そして帰燕の正体。息を呑む真実がすべてを繋ぎ、やがて京全土を巻き込んでいく。

以下、ネタバレしまくり、偏見ありまくりの感想です。笑って許してくださる方はどうぞ〜

 

とりあえず最初に謝っておきます。
今回は私の独断と偏見をもって徳次さんサイドからしか語りません。
ごめん!

 

この徳次とは、主人公・の幼なじみであり、幼い頃からお輪ちゃんのことが好きで、お輪ちゃんと夫婦になるためにわざと問題児的に振る舞って実家の跡継ぎにならないように画策する青年のことです。
徳次さんは実家を継ぐべき長男で、お輪ちゃんは婿をとって縁見屋を継がなければならないので、このままだと二人は夫婦になれないわけですね。

 

このお輪ちゃんには「縁見屋の娘は祟りつき、男児を産まず二十六歳で死ぬ」という噂があるのだけど、実際にそれは先祖代々受け継いだとある因縁が産んだ真実であり、物語はその絡まった因縁を解くことを目的に進むのです・・・・・・が、まぁそれはさておき。

 

そんな風評など物ともせずに長年片思いを温めてきた徳次さん。
しかし彼の恋には思いがけないところから大きな障害が降って湧いてしまうことになるのです。

その障害とは、お輪ちゃんの前に現れ颯爽と彼女の心を奪ってしまう美形修行者・帰燕
お輪ちゃんと夫婦になろうとアピールする徳次さんの奮闘むなしく、お輪ちゃんはみるみるうちに帰燕への想いを募らせ、徳次さんの知らんうちに両思いになって、なんやかんやあって運命の恋的にドラマチックなアレコレを繰り広げてしまうのです。

 

つまり徳次さんは紛うことなき当て馬。噛ませ犬なわけです。
幼なじみは負けフラグらしいので、これもまた世の理なのでしょう。
帰燕の正体は人外的なナニかだし、お輪ちゃんとの縁は想像以上に深く絡まったものであったりするため、たかが子供時代からのお友達ってくらいのキャラ付けで勝てるわけがなかったのです。残念なことに。

 

で、これで徳次さんが真っ当にフラれていたら、私もこんな偏った記事は書かなかった。
いつも通りに主人公であるお輪ちゃんを中心にした感想記事を書いていたことでしょう。

 

でもね。どうしても納得できなかったんですよ・・・・・・

 

だって徳次さんの扱いがひどすぎる!

 

お輪ちゃんの心が帰燕へ向きそうだから焦って告白したら「今はそんなこと考えられない」としれっとキープされるし、なぜか帰燕の方からお輪ちゃんとの縁組みを勧めてくるから安心していたら知らんところであいつらイチャイチャしよるし(帰燕おまえ・・・!)、ようやくお輪ちゃんと結婚できたと思ったら「帰燕さまとは男女の縁よりもっと強いもので結ばれてる」宣言されるし(祝言当日だぞ!もっと夢見させてあげようよ!)、終盤でも帰燕の見せ場のために腹パンで気絶させられてるし(そらあの状況で狂乱くらいするでしょ)。

 

私が知るどんな当て馬よりも酷い扱いな気がするんだけど。
それでも幸せそうにしてる徳次さん、ちょっと健気すぎじゃない・・・?
よく考えるとお輪ちゃんかなり酷いことしてるよ・・・?

 

しかもトドメは最後のオチ。
おいおいおい生まれた子まで・・・・・・!

 

お輪ちゃん&帰燕の恋物語としてはハッピーエンドの一種かもしれないけれど、ここまでどっぷり徳次サイドに立っていた私にとっては悪夢のようなエンディングですよこれ。
徳次さん、一体どんな業を抱えたらこんな酷い目にあうんです? 前世で何やらかしちゃったの? へたに結ばれているぶんだけ哀れさが増すのだけど??

 

そんな感じで徳次さんの扱いにモヤモヤ。でもこの記事に吐き出したらスッキリしました。カッとなってやったけど今は反省しています。

 

念のために言っておくと本作の主人公はお輪ちゃんだし、物語もお輪ちゃんの想いを中心に描かれているので、私の感想から受け取るイメージとは全く異なるであろうスペクタクルでロマンティックでセンチメンタルな時代ファンタジー&人外恋愛譚が描かれています。この感想記事、本筋の話はほとんどしていません。

 

もうひとつ念のために言っておくと徳次さんは脇役ですからね。そして徳次さん自身は別に我が身の不幸を嘆いたりしていないです。
私が猛烈に同情してるだけだし、この本を読んで徳次さんに感情移入する人が多いとは思えない。

 

なので、もしも未読でこの感想を読んでしまった方は、ここでダラダラ書いてることは話半分以下に受け取るのが良いでしょう。本人たちが幸せなら大団円なんですよ・・・・・・ほんとうに?

 

ていうか、時代が時代なんで愛のない結婚とか普通だし、作中でも色々と理由があってのアレコレなんで。うん。

 

なんだかんだ言ったけど面白かったです(説得力仕事して)

 

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