後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす/はるおかりの


後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫)
後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫)

前作の感想はこちらから


評価:★★★☆☆
2017年3月刊。
後宮純愛&愛憎劇を描くシリーズ第5弾。
今回エグみ半端ない。よく考えたら主人公が後宮入りしたのってなにげに初めてだったんですね(1作めは皇太子時代だから)
恒例のテーマは「科学」ということで理系ヒロインなのだけど、あとがきに書いてあるとおり「宦官」がテーマで良いと思います。むしろ宦官のアレコレしか印象に残ってないレベル。
面白かったけれど、糖分が補充されたそばから枯渇していく・・・・・・萌えをください・・・・・・。

☆あらすじ☆
12人の妃を一度に娶った凱帝国の崇成帝・高遊宵は、すべての花嫁を出自に関係なく同じ位に拝命し、床を一緒にした者から順に位を上げていくと宣言した。そのため、花嫁たちは皇帝の気を惹こうと必死に競い始めるのだが、ただ一人、科学好きの令嬢・緋燕には全くその気が起きない。緋燕が後宮に入ったそもそもの理由、それは「貴重な科学の本が読めること」、そして「復讐」にあって…!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語は前作から6年後。
早々と退位した圭鷹に代わり、前作ヒロインの義弟・高遊宵が皇帝に即位。
彼の後宮に迎えられた12人の花嫁のひとり・李緋燕の目的は「復讐」にあったーーというストーリー。

 

今回はいけ好かない冷血男と変人気質な理系女のカップルなのだけど、「俺に興味がないなんて。面白い女・・・」的な始まりがテンプレすぎてちょっと笑ってしまいましたw

まぁでも舞台が後宮なので、そこから始まる物語はあまり可愛くないのだけど・・・・・・。
緋燕と遊宵の恋よりも、ふたりの背後でうごめく後宮愛憎劇が強烈だからなぁ。

 

この後宮シリーズはもともと後宮の悲劇性を強く押し出しているものではあったけれど、皇帝と妃が主人公になるとこうもエグい話になるのかと白目をむきそうでした。
2作目の圭鷹は皇太子時代だし、皇帝になってからの話は後宮の部外者たちの視点から一歩引いた感じで描かれていたから、怖い怖いと思いつつ他人事だったのかも。
まぁこれこそが後宮小説なのかもしれないですね。あらためて後宮って怖い世界だ・・・・・・。

 

しかし即位間もないのにこんなに問題ばかり続出で大丈夫なの、この後宮?と心配になる一方で、「大丈夫!いつもそうだから!」とばかりに歴代皇帝の後宮残虐エピソードがいっぱい語られてるのが、ほんと何とも言えない気持ちになるww
高家の男はどうなってるんだ!

 

まぁ歴代残虐物語と違って、今回問題を起こしまくっているのは宦官なんですけど。
緋燕の敵も宦官だし、宦官に始まり宦官が問題を起こして宦官を捕まえて終わった感。宦官祭りか。
理系姫ならではの活躍もたしかにあったけれど、前作までに比べるとヒロインの特技が目立ちきれなかった感じ。「科学」の範囲が広すぎたせいかな。カラクリに絞ったほうがよかったのでは、とちょっと思いました。

むしろ裏テーマの「宦官」が強烈すぎて宦官のアレコレばかり印象に残っています。
しかもその宦官が起こした中盤の事件もラストの事件も爽快に終わったわけじゃないからモヤモヤが消えないし、なんとも苦い後味。

 

うーん、糖分が死ぬ・・・・・・。

 

枯渇した糖分を補えるほどには緋燕と遊宵に萌えられなかったのもつらい。これは好みの問題ですけどね。
ふたりの掛け合い自体は面白いものの、後宮のエグさや虚しさが真後ろでチラチラしてくるだけに少女小説的なロマンスに浸りきれないというか。
だって「皇帝がたった一人を愛すること」が引き起こす悲劇を散々描いてきたシリーズじゃないですか。今回もちゃんとその点は言及されていたし、なんかもうこの後で起こる悲劇が予感できてアレ。

 

しかしこの腹黒カップルはなかなか強い夫婦になりそうです。
緋燕は途中の呉氏のアレとかラストの罠とかをみるに、慈悲深いようでいて政治的利益のためなら手段を選ばないタイプの皇后になる予感があるし。薬やら何やら使えるだけに恐ろしい。
後宮シリーズが続くなら彼女のその後も描かれるのでしょうけれど、なんだろう、見たいような、見たくないような。

 

とりあえず、続きを待つことにしましょう。1作目(後宮詞華伝)と3作目(後宮錦華伝)みたいな話が読みたいなぁ。

 

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