ほま高登山部ダイアリー/細音啓


ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)
ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年2月刊。
好きな女の子に告白したはずが、なぜか登山部に入ることになった少年が「登山」の面白さを知っていく物語。
すごく素敵な登山青春小説でした。優劣をつけることなく、みんなで一つの目的に向かってワクワクと楽しみ尽くすっていうのが良い。登山部のアットホームで優しい雰囲気がすごく心地よかったです。
個人的には今回くらいの初心者登山には結構覚えがあって、「わかるわかる」と共感できたことも楽しかった。シリーズ化したらもっと難しい山にも挑戦したりするのかな?
主人公の片想いも好みな恋模様だったので、こちらの進展も期待しています。

☆あらすじ☆
少年は(山に)恋する少女に恋をした。
登山に青春をささげるあまり、恋愛を知らずにいる少女たち。 そんな女の子・乃々星縁に恋をした冬峰冬馬は、高校入学を機に彼女に決死の告白を。 しかし、運悪く「登山が好きだ」と勘違いされ、あげくの果てに登山部の部長に現場を見られて、未知の登山部へと強制入部することに!?
登山部に所属する個性的な先輩たちに振りまわされながらも、登山について学び始める冬馬と縁。 部活の仲間にはなれたものの、恋の進行は鈍行運転。 とはいえ冬馬も縁と共に、次第と登山そのものに惹かれるようになっていく。
「登山部って、普段何をしてるの?」 「登山にジャージが適さない?」 「キャンプの定番、カレーは山頂での食事には向いてない?」
初めての知識や経験の数々。 冬馬は縁と過ごせる一緒の時間が嬉しいだけでなく、いま、ここでしか味わえない、先輩や仲間との青春の良さも感じたりして――。
山に恋するあまり恋愛感性ゼロの山ガールに、果たして冬馬の思いは届くのか!?  青春の坂道を駆け上がる、登山部ラブコメ一合目。
『世界の終わりの世界録』などで活躍中の実力派・細音啓が、青春小説に初挑戦!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

中学時代から好きだった女の子・之々星縁と、念願かなって同じ高校に進学できた主人公・冬峰冬馬
しかし勇気を出した告白が勘違いされた結果、冬馬は縁といっしょに登山部に仮入部することになる。登山について全く知らなかった冬馬だけれど、先輩や縁たちのレクチャーを通して、ゆっくりと登山の楽しみを学んでいきーーというのが本作のストーリー。

 

全体的には登山入門編という感じでしょうか。
登山前の軽い体力作り、登山用品の準備、登山ルートの下準備などを軽くレクチャーしたうえで、初めての登山へ。
実際に登山する前の準備期間がすごく楽しそうでした。たしかに部活仲間が揃ってワイワイと準備したら面白いんだろうなぁ。

 

私は今回くらいの初心者登山(片道2時間程度のハイキング的な登山)なら年1回くらいのペースで行ったりするんですけど、基本的に無理やり拉致られてるだけだから登山の準備とかまともにやったことないんですよね。
登山用ウェアもしばらくは作中でNGとされていたジャージだったくらいですし。ジャージってダメなのか。理由を知らなかったので「へー」と思いながらあのへんを読んでました。
まぁでも登山用ウェアは可愛いのが多いから選ぶのが楽しいっていうのはわかるw

 

そんな風に改めて「初めての登山」のレクチャーを受けてみると、なんだかむくむくと登山したくなるものですね。人任せにしないで自分でプランを立てて登山したら、今までよりも楽しめるのかもしれないなぁ。
それに、冬馬や縁が山の中に広がる自然を新鮮な気持ちで歩いて行く様子にはとても共感して、無性に山に行きたくなってしまいました。
草木や虫がそばにいて、空がとても近いところにある、あの非日常感。
所詮は2時間程度で登れる低い山だから感動とまではいかないんだけど、なんだか心が洗われるっていうか。あの感覚が好きだからぶつくさ言いつつも年に1回は登山しに行くのかも。

 

登山入門としても良かったけれど、青春小説としてもしっかり楽しめたのはキャラの魅力があってこそ。
主人公の冬馬は嫌味がないキャラクターだし、他のメンバーもすごく個性的なキャラ立ちをしていて、彼らの和気あいあいとした雰囲気にとても和みました。
面倒見がよくてイタズラ好きな部長も、美人だけどドジっ子なガブちゃんも、比較的出番少ないのに強烈すぎる存在感を発揮する変態フェチメガネも、みんな根底に優しさと登山への愛がしっかりあるところが素敵。
仲間意識のあり方が温かくて、アットホームってこういうことだよなぁとしみじみ思いました。
そして冬馬の想い人である縁も可愛い。マイナー趣味の同志を見つけたときのテンションの高さが可愛い。彼女のウキウキ気分が伝わってきてこちらも楽しくなってしまいますw

 

恋模様の方はどうなるかな?
個人的には、冬馬がラストで抱いた「登山する目的」がなかなか良かったと思うんです。登山と恋っていう2つの要素をしっかり繋げたなって。
冬馬のじれったい恋心がなかなか好みだったので、ゆっくりでいいから進展していくと嬉しいです。その過程でたくさん山に登ったらなお良し。

 

良い青春小説だったと思うのでシリーズ化してくれると嬉しいです。
期待しています!

 

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