ソウルトランサー/菱川さかく


ソウルトランサー (徳間文庫)
ソウルトランサー (徳間文庫)

評価:★★★★☆
2017年2月刊。
エブリスタ小説大賞2015-2016徳間文庫冒険エンターテインメント小説賞大賞受賞作。
犯罪者の巣窟を舞台に、捜査官と犯罪者の男女入れ替わりを描いたアクションSFです。
コメディタッチにテンポ良く進むストーリーは楽しく、一応敵対関係なのに相棒になってしまった2人の共闘にワクワクできる物語でした。バディもので役割分担がはっきりしてるのって良いですよね〜。
彼らの追跡&逃亡劇はトラブル続出でスリリング。そしてあまりにもうまく作られた構成に爽快感すら覚えました。
入れ替わりネタの使い方も良いし、ボーイ・ミーツ・ガールとしても満足の1冊です。こういうエンタメ全開な作品は大好きだ!

☆あらすじ☆
最強の美少女ハッカー“ゴースト”を追い詰めた。しかし逮捕まであと一歩のところで轟音が鳴り響き、気を失って…。目が覚めると「俺」が眼前にいた。ガラスに映った俺の姿はゴーストになっている。―なんと、魂が入れ替わってしまった!早く原因を突き止めなければ。特別認定犯罪者対策機関「特対」のレドは、魂交換者のゴーストと共に犯罪者の巣くう「迷宮街」へと乗り込む!

以下、ネタバレありの感想です。

 

かつての巨大アトラクションが廃墟となり、犯罪者の巣窟と化した「迷宮街」
迷宮街に潜む犯罪者を制圧することを目的とした組織「特別忍耐犯罪者対策機関」の構成員・レドは、クライムレベル最高位のハッカー「ゴースト」の正体を突き止めた直後、謎の現象によって彼女と体が入れ替わってしまう。

 

その原因は、迷宮街で同時多発的に発生した入れ替わり現象「魂交換」。
レドは元に戻る方法を探したいものの、このまま特対に拘束されればゴーストと一緒に収監されてしまい、いつ元に戻れるかもわからない。
そこでレドは、ゴーストの正体である少女・ソネットと協力し、「魂交換」を引き起こした女科学者の後を追って迷宮街の最深部を目指すことを決意するのです。

 

そうして始まる追跡&逃亡劇。それは、かつてのアトラクションをなぞるかのように、様々なトラブルに見舞われる厳しい道のりとなっていくのです。
この構成が本当に良く出来てる。
チンピラ戦、ラスボス戦、囚われの姫君、最後の花火などなど、まるでパズルのピースがぱちりぱちりと嵌っていくみたいでした。ここまでうまいことやられると、もはや爽快な気分になるものですねw

 

次々と起こるトラブルに躓いたり切り抜けたり頭を抱えたりしながらも、どうにか目的地にたどり着こうとひた走るレドとソネット。
バトル担当とハッキング担当という形で2人の役割分担がしっかりできているのもよかったし、レドが正反対だと吐き捨てるくらい対照的な立ち位置にあるのも良い。
それでいて凹凸が噛み合うかのような関係に、なんとも楽しい気分になれるコンビでした。

 

そんな2人の入れ替わりはジャンルのお約束もしっかり踏まえていくのだけど、個人的に面白かったのは入れ替わり直後のレドの心境。
しょっちゅう女に間違われる可愛らしい顔で「ラブリーモンスター」とか影で呼ばれるくらいなのに、女に間違われるとキレるレド。
そんなレドが「・・・・・・ほう。これは、なかなか・・・・・・」と可愛らしさを愛でちゃう残念極まりなさが最高でした。これで自他共に認めるプリティフェイス!

 

レドとコンビを組むことになるソネットも良キャラでした。
天才美女ハッカーときいてこんな性格だとは思わないでしょ・・・・・・ナントカとカントカは紙一重を体現してる。
でも、お人好しで優しいところが素敵なんですよね。きっとレドのプリティフェイスはソネットによく似合っていたことでしょう。元に戻らなくてもソネットは困らなかった気がする。

 

レド&ソネットの入れ替わりだけでなく、「魂交換」の設定が随所で最大限に生かされていたのも素晴らしい
鋭い人は途中でオチが読めたのかも?私はしっかり毎回のどんでん返しに騙されました。悔しい!

 

男女入れ替わり、ダンジョン探索、SFバトルアクション、クライム・サスペンス、そして因縁を乗り超えるボーイ・ミーツ・ガールといった感じで、様々な魅力を備えたエンタメ満載な1冊でした。とても楽しかったです。
かなり綺麗に終わっているから読み切りかなぁ。その後の2人の活躍とか見てみたいけどなー。

 

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