臨床真実士ユイカの論理1 文渡家の一族/古野まほろ


臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族 (講談社タイガ)
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評価:★★★☆☆
2016年4月刊。
人の嘘を見抜くことのできる女子大生が、閉鎖的な没落財閥一族内で起こった殺人事件の真相を暴くミステリー。
完全なる論理クイズで1本のミステリーを組み立てている恐ろしい作品でした。
私はやらなかったけれど、ノート片手に論理クイズをひとつずつ解いたら答えを得られるフェアな作品なのかもしれない。わかんないけど。
主人公・ユイカのキャラも良いし、犬神家の一族オマージュも楽しい作品でした。

☆あらすじ☆
言葉の真偽、虚実を瞬時に判別できてしまう。それが臨床真実士と呼ばれる本多唯花の持つ障害。大学で心理学を学ぶ彼女のもとに旧家の跡取り息子、文渡英佐から依頼が持ち込まれる。「一族のなかで嘘をついているのが誰か鑑定してください」外界から隔絶された天空の村で、英佐の弟・慶佐が殺された。財閥の継承権も絡んだ複雑な一族の因縁をユイカの知と論理が解き明かす!

以下、ネタバレありの感想です。

 

「障害」によって、他者の発言から客観的な真偽主観的なウソ/ホントを判別することができる女子大生臨床心理士・本多唯花
物語の語り手である大学生・鈴木晴彦の友人を介して、唯花と晴彦は山奥に15年間引きこもる閉鎖的な一族・文渡家に招かれる。そこで文渡家の家長・文渡紗江子の依頼により、唯花は文渡家で起こった殺人事件で誰が嘘をついているのかを判断することになりーーというのが本作のストーリーです。

 

推理による犯人当てではなく、ファンタジー能力を前提とした論理的思考による嘘吐き探し。
「誰がどの発言について嘘をついているのか」を一つずつ明らかにすることで真実を明らかにするという異色のアプローチを試みるミステリーでした。

 

なんかこういう感じの論理クイズって昔やったなぁ、と読んでてしみじみ懐かしい気持ちになりました。
頭の体操だ。私、こういうの苦手だったんですよね。頭の回転が遅くて・・・・・・泣

 

なのでハナから「読者への挑戦状」に受けて立つ気はなかったのだけど、全編メモをとりながらチャレンジして自力で答えに辿り付けた人もいたのではないでしょうか。
どうなんだろう。まぁ、解答編を読みながら「へ〜」を連発してた私なんかはお呼びじゃないですけどね!

 

それと、随所でみられる犬神家の一族オマージュも楽しい作品でした。
表紙からして角川文庫のアレですよね。一族内の継承争いとか骨肉の争いとかも愉しい。まぁ、それが引っかけでもあったわけだけど。

 

ただ、論理クイズを徹底するために展開が遅くて少しだるいなぁと感じる部分も。
機械的に思えて意外と人情味のあるユイカのキャラクターがそこをうまくカバーしていたし、このタメがあるからこそ解決編のカタルシスが生まれるのですけどね。

 

うん、トータルで面白い作品でした。
すでに2巻が発売されているので、近いうちにそちらも読んでみようと思います。

 

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