巫女華伝 恋の舞とまほろばの君/岐川新


巫女華伝 恋の舞とまほろばの君 (角川ビーンズ文庫)
巫女華伝 恋の舞とまほろばの君 (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2017年2月刊。
都から皇子が押しかけ婿にやってきて困惑する巫女が主人公の古代和風ファンタジー。
個人的にはもう少し古代の世界観を作り込んでほしかったけれど、巫女と皇子の恋は王道なロマンスを楽しめました。
まだ完全なハッピーエンドとは言えない感じなので、ぜひともシリーズ化して続けてほしいところ。そして恋敵のはずの婚約者をもうちょっと活躍させてほしい。
ところであらすじにちょっと違和感があるような気がするんだけど・・・・・・うーん?

☆あらすじ☆
「ねぇ――オレのこと、お婿さんにしてくれる?」
神さまの使いの巫女として国を守る瑠璃(るり)。しかし幼い頃に母親を病気で亡くし、神さまを信じられず薬学に励んでいた。ある日、大倭(やまと)王朝の見目麗しき皇子(みこ)・紫苑(しおん)が訪れる。視察でやって来たはずが突然、一目惚れだと求婚してきて!? けれども、瑠璃には既に一族の掟で定められ、結婚を誓った幼馴染がいた――。
巫女と皇子の禁断の恋を巡る、和風ラブ・ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

出水国の長の娘である巫女・瑠璃は、大倭朝廷から訪れた第五皇子・紫苑に出会う。
婿にしてほしいという彼の言葉をスルーしつつも、自分の中のわだかまりを見抜いた紫苑に惹かれていく瑠璃。しかし、紫苑を狙った騒動が続けて起こり・・・・・・というストーリー。

 

『日本神話をベースに飛鳥や奈良時代の要素を取り入れたなんちゃって古代ファンタジー』とあとがきにある通り、古代で和風なファンタジーでした。
個人的には「なんちゃって」だとしても、もう少し世界観を作り込んでほしかったかなぁ。
「大王」とか「国造」とかの単語で古代っぽさを演出していたけれど、小物類などの細やかな描写が物足りなくていまいち世界観がぼんやり。
古代和風ときいて楽しみにしていただけにちょっと残念でした。

 

世界観はさておき、瑠璃と紫苑の恋物語としては手堅さを感じる出来で面白かったです。
紫苑たち一行の本当の目的とか、紫苑の命を狙った襲撃事件とか、緩急の付け方も適度で物語自体を楽しく読みました。
そういうトラブルの数々が瑠璃と紫苑のロマンスを盛り上げていたし、二人の本当の馴れ初めも王道ながら好みな設定。
責任感が強すぎて逆に脆さを感じる瑠璃と、軽薄そうにみえて一途な紫苑のどちらも好感の持てるキャラクターでしたしね。
うんうん、ラブストーリーとしては満足!

 

まぁ強いて言うなら、恋敵っぽいポジションにいた従兄・翡翠がいまいち目立つことなく終わってしまったのは勿体なかったですけど。もうちょっとバチバチした展開を期待していたので。でも引っかけに使ったのは巧かった。
翡翠自身が瑠璃への恋心があるのか微妙な感じだから、本格的に三角関係とまでいかないのは仕方ないかな(その芽生えみたいなものはあったけれど)

 

今回の騒動は一応綺麗に片がついたものの、瑠璃と紫苑の恋はまだまだ手強い壁が残ったまま。
出水国と朝廷の間にある禍根が問題なだけに、ちゃんとハッピーエンドを迎えようとするなら結構大変な気がします。どうやって父兄を攻略するんだろう。ワクワク。

ぜひとも大団円を目指してシリーズ化してほしい。続刊を待ってます。

 

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