神様は少々私に手厳しい1/守野伊音


神様は少々私に手厳しい 1 (プライムノベルス)
神様は少々私に手厳しい 1 (プライムノベルス)

評価:★★★★☆
2017年1月刊。
ヒーロー文庫発の新レーベル「プライムノベルス」の創刊第一弾。
めっっっちゃ楽しかった!
異世界で苦楽を共にした恋人と強制的に引き離されたと思いきや、10年後の世界に再転移した少女カズキ。
タイトルの通り、少々(?)手厳しい運命に巻き込まれるものの、基本的には明るく楽しい純愛系のラブコメです。
異世界の言語を拙くも一生懸命喋る女の子は可愛いはずなのに、カズキの語学力は愛でるには面白すぎました。腹筋痛い・・・!
人情味溢れるキャラクター陣がとても魅力的だし、メインとなる10年越しの恋も微笑まし・・・いや、ごめんやっぱり爆笑してた。
何はともあれ、元気で宜しい恋せよ乙女!
今後もすごく楽しみな期待の新作です。

☆あらすじ☆
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十か月後。何の因果か、カズキは再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のないカズキは、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、カズキはこの十年で名が知れ渡った「黒曜」という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだった―。

以下、ネタバレありの感想です。

 

戦争中の異世界に転移し、保護してくれた年下の少年・ルーナと恋人になったところで元の世界に戻された女子大生・カズキ
ルーナが恋しくて嘆いていたところを再び転移したものの、なんと異世界では10年が経っていた。
恋の神様、ちょっと私に手厳しくないですかねぇ!?ってところから始まるセカンドトリップ物語です。

 

拾われた先が娼館(ただし裏方)だったり、いつの間にか『黒曜』と呼ばれ神聖視された挙げ句にミスコンの元祖みたいになってたり(オリジナルが平凡すぎて暗殺のおそれがあるってのがまた酷いw)と、二度目の異世界生活はなかなかに大変だったりするのだけど、カズキの語学力に笑いすぎてそれどころじゃない。

 

もうほんと笑った笑った!
カズキの頭にはグー●ル翻訳が搭載されてるのかな? しかも抜群に使えなかった頃のやつ。
「にょろ」とか「ぞろ」とか「ぞり」とかの変な語尾もやばいんだけど、絶妙に意味が通じる珍妙な言葉のチョイスが腹筋を猛攻撃してくるんですよね。なるほどギリギリ分かる!っていうギリギリの攻め具合が職人芸。

 

そんな残念を通り過ぎて才能を感じる語学力に加え、カズキ自身もかなりのドジっこ。
常にドジなんじゃなくて(砦や娼館の雑用はきびきびとこなす)、ここぞ! というタイミングでドジる。
シリアスにも常に笑いを追及する飽くなき向上心が素晴らしいと思います。
個人的にドジッ子ヒロインは別に好きではなかったのだけど、カズキのドジは愛せました。こんなにも抜けたヒロインを私は愛してしまった・・・・・・。

 

この1巻では、そんな愛すべきカズキが愛するルーナと再会を果たし、再び想いを通わせるところまでが描かれているのだけど、その過程で出会う人たちはみんな人情味があって魅力的。ていうかみんなほんと可愛いんですよ。

まず優しいリリィが可愛い。冷静で親切なツッコミに何度吹き出したことか。

そして少年期のトラウマ持ちな騎士アリスも可愛い。たぶんこの本の4割くらいはハートフル兎パンツで笑っていたと思う(6割はカズキ語)

あとはちょっとお顔が怖くなった大人ルーナも可愛・・・・・・くはないかな、と思ったら最後でキュンとしたのでやっぱり可愛かったです。
カズキはこんな面白い言語能力でよく1度目の異世界転移をやり過ごしたなって思っていたのだけど、ルーナが日本語を修得していたんですね。ハイスペックな愛だなぁ。

そして最後にラスボスのごとく登場したエレオノーラさんもお茶目で可愛いお母さんでしたw
訂正と許可が入るタイミングが変なのはそういう基準だったのか。きっと今後もカズキの語学力が向上することはないんだろうな、と悟った瞬間でした。
エレオノーラさんは最後のセリフがめっちゃ好きです。
『元気で大変宜しい! 太く長く図太く、恋せよ乙女です!』(318頁)

 

カズキの日常に笑いまくっているうちに『黒曜』候補とカズキ本人への襲撃事件が発生し、あれよあれよという間に事態が急変していくわけだけど、カズキ自身の性格と人徳で困難を突破していく姿がとても良かったです。
異世界と元の世界に揺れ動く心を抱えていても、戦争の真実を今さら知って傷ついても、カズキならきっと前へ進めるって思えるところも素敵。
弱いところがある人間らしさと、それを周囲に悟らせまいとする健気さを知って、ますます彼女のことが好きになりました。

 

・・・・・・シリアスが長続きしないところも大好きだよ!!

 

全力投球時々ヘタレなカズキとルーナの恋もロマンチックで良かったし、ページをめくるたびに笑いまくったし、なんかもう元気をフルチャージさせてもらった気分。
黒曜襲撃事件自体はこれからが本題だと思うので、続きもとても楽しみです。
重版情報が景気よくでていたし2巻が出るのは間違いないはず。
1巻は読めば読むほど笑いの沸点が低くなって死にかけたので、2巻は万全を期して部屋に引きこもって読みたいと思います。

 

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