カーリー2 二十一発の祝砲とプリンセスの休日/高殿円


カーリー <2.二十一発の祝砲とプリンセスの休日> (講談社文庫)
カーリー <2.二十一発の祝砲とプリンセスの休日> (講談社文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2013年3月刊。初出はファミ通文庫2006年10月刊。
第二次世界大戦前夜、英国統治下にあるインドを舞台とした女学校物語第2弾。
今回はインドのお姫様が転入してきたことから始まる騒動が描かれていくのだけど、彼女の恋が本当に切なくて素敵。
大人たちの都合で世界が大きく変動するなか、無力な存在でいたくない少女達の青春と恋の輝きが目もくらむほどにまぶしい1冊でした。

☆あらすじ☆
オルガ女学院に転校生・パティがやってきた。パティは大国バローダの第一王女、つまり、本物のプリンセス。転校初日からわがまま放題な彼女は、ヴェロニカから特別室を奪い取り、カーリーを自分の召使いにしてしまう。そんなパティが心に秘めた、切ない恋とは――。シリーズ第二弾。

以下、ネタバレありの感想です。

 

インドの豊かな藩王国の王女・パティが転校してきたことで、にわかに騒がしくなるシャーロットの学園生活。

パティにカーリーをとられてしまいふて腐れる一方で、同室となったヴェロニカと思わぬ和解をして友情を結んだり、みんな仲良くインドの街に象に乗って繰り出したりと、相変わらずシャーロットの女学校生活はとても楽しそうでした。

 

そんな今回の物語のなかで、徐々に明らかになっていくのはパティが転校してきた理由。

王女と新聞記者の身分違いの恋の物語は、まるで「ローマの休日」のようにロマンチック。
シャーロットにパティの様子を尋ねるエドワードや、エドワードへの恋心を語るパティの姿に、このロマンスのハッピーエンドを期待してしまっていたのに・・・・・・。

女の子達の友情によって決行された駆け落ちの結末は予想以上に切なく、そしてパティの選択に胸を打たれずにいられませんでした。
途中で嫌な予感はあったのだけど、まさかこんなにも毅然とした態度でパティが欺瞞を突きつけるとは思わなかった。格好よすぎる!

あの港のシーンのパティの姿は、とても美しく凜々しい、まさに「プリンセス」そのものでした。駆け落ち計画で少女らしくはしゃいでいたことを知っているだけに、その毅然とした姿が切なくもあるのだけど・・・・・・もう、ちょっと泣いてしまったじゃないですか。

それでも「幸せになりにいく」という言葉に、彼女の恋が切なさで終わらなかったことを知り、なんだか救われた気分です。本当に幸せになってくれるといいな。

 

一方、げに恐ろしきはイギリス情報部。
パティの話が終わって一段落かと思わせての怒濤の急展開に言葉もありません。
キラキラした青春小説ではあるけれど、同時にこの物語の舞台は第二次世界大戦前夜なのだということを痛感してしまいました。
どこもかしこも大人の事情と思惑がはびこるなかで、ただ流されるだけの無力な存在でいたくないと足掻くシャーロットたち。そのがんばりを応援せずにはいられません。

 

ただ、今回で急激にシャーロットの周囲が動き出してしまったんですよね・・・・・・。
女学校モノとしても終了とか、ここからどうなってしまうのでしょうか。

 

シャーロットとカーリーの関係の行方も気になります。
ついに正体バレしてしまったわけだけど、果たして彼女たちの再会は何を意味することになるのか。
4年後っていう数字がまたちょっと・・・・・・5年後だったらまだ良かったのに・・・・・・。

 

そもそも本当に姉弟なの?ってところからまだ疑ってますからね、私。
だってシャーロットの将来の夢をリサーチしてたり、セリフを言わせて悶えてたりするカーリーをみてると、ほんとに姉に向ける感情か?って思うし。
ていうか今回のカーリーは出番あまり多くないくせに、シャーロット大好きが漏れまくってて超ニヤニヤしたんですけど・・・・・・!

 

シャーロットとカーリーにはぜひとも幸せになってほしい。
ハッピーエンドを期待して3巻も読もうと思います。

 

スポンサーリンク
 
0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。