通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?/井中だちま


通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (ファンタジア文庫)
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (ファンタジア文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2017年1月刊。
第29回ファンタジア大賞「大賞」受賞作。
お母さんと一緒に冒険に出ることになった男子高校生が主人公のVRMMO系ファンタジー。
アニメイトの鬼畜フェアに衝撃を受けて思わず電子書籍でポチったんですけど(どんなお母さんでも一緒にアニメイトはちょっと)、なかなか面白い作品でした。
お母さんが完全にメインヒロインだし、サービスシーンももれなくお母さん、物語上の重要な役割を担うのもお母さんという、あまりにも尖りすぎたノリにどこまでついていけるのかが評価の分かれ目だと思います。
私は楽しかったけど1発ネタかなー、と思ってたら巻末に次巻予告が。続くのか・・・・・・!

☆あらすじ☆
母親と一緒に冒険の旅に出たら仲良くなれますか?
「マー君。これからお母さんと一緒にたくさん冒険しましょうね」夢にまでみたゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子も付いてきて!? 母親同伴の新感覚冒険コメディ開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

政府主導のオンラインゲーム【MMMMMORPG】のテストユーザーに選ばれた少年・大好真人
しかしその冒険には母親・真々子が同伴し、さらに真々子の方がスペックは上というちょっぴり恥ずかしい状態。
そもそもゲーム自体が「母と子が仲良くなるためのRPG」であり、母子が仲良くならないと元の世界に戻れないという頭のおかしい設定なんですよね・・・・・・それでいて、「母と子の物語」として最後まで突っ走る(しかもちょっと良い話にまとめる)あたり、ネタと切るには侮れない作品でした。

 

しかしお母さんがメインヒロインって実際どうなの?
私は楽しく読んだけれど、ラノベのメインターゲット層(たぶん中高生男子)はこれを読んで何を思うのだろうか。
スライムに服を溶かされたりビキニアーマーを着てはしゃぐ母親・・・・・・パーティーにはJKヒロインやロリヒロインもいるというのに、息子どころかヒロインズの見せ場すら奪う母の徹底したヒロインぶり。
若々しく可愛らしいイラストで乗り切れたところは多々あるのではないでしょうか。自分の母で当てはめて考えるのは自殺行為。

 

まぁでも実際、愛する息子との冒険に浮かれ気味でお茶目な真々子さんはとても可愛かったです。
そしてなにより、その属性は「母」。
母親の存在に苛立つ真人や、母親の存在に傷つくワイズへの対応に圧倒的包容力を感じずにはいられませんでした。これがバブみ・・・・・・?

 

ただ、真々子さんは良いお母さんだと思うけど、同時にすごく鬱陶しいお母さんだとも思うんですよね。
そのへんに対する真人の葛藤と成長も見所。と言いたいところだけど、正直マザコン(まさにコンプレックス)でロリコン(正しくロリコン)な印象しか残ってないw

そういえば真人と年齢的に釣り合うのはワイズだと思うけれど、今後ラブコメはあるのかなぁ。
【母の牙】にことごとくフラグを折られる未来しか見えない。

 

肝心のストーリーの方は、母ヒロインの存在感に影響されすぎてちょっと気の抜けたユルいノリ。
冒険シーンと同じくらい所帯じみた描写が多かった気がするんですよね。ご飯とか下着とか。やたら日常感のある冒険ファンタジーでした。
とはいえ、オーソドックスな冒険の中でテンポよく繰り広げられる母子の掛け合いは楽しかったし(真人のツッコミが冴えてる)、ラストバトルの母子共闘&和解は感動的。全体的には予想以上に楽しめたので満足です。

 

ネタに走った作品だし単巻ものかと思いきや、巻末にあるのは次巻予告。
真人とママ子の冒険は続くんですね。
考えてみれば、こんなバカな計画を立ててる政府の真意とか(あの建前が本音とかまさか言わないだろう)、特別措置がとられているポータの事情とか、ラストのハッキングの話とか、色々と伏線が放置されているのはシリーズ化前提だったってことか。
「母親同伴ファンタジー」という奇抜なネタを維持したままで、どこまで勢いがもつのか気になります。

というわけで2巻を待つことにしましょう。

 

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